“ファンタビ”の割に全くファンタスティックでは無かった『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』!ファンタスティックなのは適当過ぎるストーリー

 

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅


監督:デーヴィッド・イェーツ
出演:エディ・レドメイン、ダン・フォーグラー、コリン・ファレル、キャサリン・ウォーターストーン、エズラ・ミラー、アリソン・スドル 他
言語:英語
リリース年:2016
評価★★★☆☆☆☆☆☆☆


~”完成度に疑問ありなハリポタシリーズのスピンオフ作品”~

 もくじ


 あらすじ


1926年にイギリスの魔法使いで魔法動物学者であるニュート・スキャマンダーが、
アメリカ合衆国のアリゾナ州へ向かう途中でニューヨークに船で到着する
ニュートのスーツケースには魔法で拡張された別世界が広がっており、
彼が世話をする魔法動物たちが暮らしていた
ひょんな事から非魔法使い(ノー・マジ)のジェイコブ・コワルスキーと
スーツケースを取り違えてしまう
ニューヨークに魔法動物たちが飛び出し、大事件になる前にニュートは
スーツケースから逃げ出した動物たちを捕まえなければならないが、
そんな中で魔法動物一危険なオブスキュラスが放たれ・・・
ニューヨークの街で繰り広げられる魔法使いと不思議な動物たちのアドベンチャー物語


 レビュー

世界で大ヒッしたJ.K.ロウリングのハリー・ポッターシリーズが完結し、新しい主人公・時代・ストーリーで描かれる本作。

ハリー・ポッターは話が良く出来ていて、考え抜かれたストーリー、独特な世界観と雰囲気がありましたが本作はそれを忠実に再現するわけでもなく、全く新たな試みに手を付けたわけでもなく、本当に子供向けの短絡的なストーリーでガッカリしたのが正直な感想。

これはこれで良いかも知れませんが、ハリポタのクォリティには到底及ばず、同じにして欲しくないです。エディ・レドメインの演技力やキャラクターに魅力がある事は間違いありませんが、大成功したハリポタの名を借りてもう一儲けしようという魂胆が見え見えで鑑賞後はイラっとしましたね。


不思議で可愛い魔法動物がわっちゃわっちゃ

適当な推理で悪役が即バレ

冒頭部分からオチが分かってガン萎えです。

グリンデルワルドとグレイヴズですが、彼らの髪型、初登場シーンで全く同じ様に背後から撮影される演出、名字の二文字が同じ「Gr」から始まる事・・・もうグレイヴズがグリンデルワルドじゃん、それしか有り得ないじゃん。

と思わせて、実は違う?のであればまだ良かったものの、やっぱりグレイヴズがグリンデルワルドでした、なんて最後に分かっても驚きもしないし、面白くもない。冒頭でネタバレして1時間半じっと観続けるのも中々ツラいもの


どう考えてもお前が悪役だろ

ワンダホーな魔法の世界は良いけど、お花畑になっててツッコミドコロだらけ

と、出鼻を挫かれましたが本質はタイトルにもある通り「ファンタビ」たちだからと自分を諌めたものの、ニュートの登場後5分で疑問が。

ニュートのスーツケースはドラえもんだってびっくりの別世界が広がっており、魔法界のユニークな動物たちが自由気ままに暮らしています。が、下船して荷物検査を受ける時にこのケースにはこんな時の為に「マグル用」モードがある事が分かります。


問題のスーツケースの中は広々とした魔法動物の世界でいっぱい

開けたら綺麗に畳まれた服や日用品が現れ、摩訶不思議な魔法動物が飛び出してくる事はありません。なのに、この映画のストーリーはケースにじっと収まってくれない魔法動物たちがマグル界に次々と溢れ出し、ニュートがマグルのコワルスキーと一緒に捕まえに行く事に依存していますと。

いや、ずっとマグル用にしておけばスーツケースの入り口と魔法動物たちが居る世界は分断されるんじゃないの?そうしない理由は?しかも、一番最後のシーンで魔法動物たちが飛び出す事に懲りたのかケースを紐で縛っているけど、寧ろ紐で抑えられるものなの?だったら初めから紐で縛っておけば?コワルスキーがケースを取り違えたとしても、大事件に発展しないはずだし・・・と突っ込み所があからさまで、その後映画に入り込む事が無理になりました。

魔法動物が街中をワーキャーする度に「いや、だからさ・・・」となってしまい、かなり冷めました

何だろう、どこでもドア持っている人が漏らしました、大事件です!みたいな。
いやいやどこでもドアで自宅のトイレにでも行けよ、そもそも大事件にならんだろ、みたいな。

行き当たりばったりで成り行きで考えたストーリーなのか

とこの通り、映画の問題はハリポタと違って全く内容に「納得感がない」事です。更に挙げると、その後ティナに捕まって渡米した理由を問ただされたニュートは、とある著名な魔法動物学者に会いに来たと嘘をつきますが、そもそも嘘をつく必要が最後まで分かりませんでした。

アリゾナにサンダーバードの「フランク」を放つ事が魔法界では違法なのか?違法なら何故?合法的に自然界へ返す方法が無いのも理由が分からないし、合法的な手段があるならニュートがそうしない理由も分からない・・・そもそも何でアリゾナ?と、説明する気が微塵も感じられない所も印象が悪かったです。

特に理由もなく、“いやこういう設定だから”と都合良く後出しジャンケンされている感が凄かった。
これは伏線だったのか、なるほど!と感じたポイントも別に・・・

オブスキュラスが思春期に経験する言い様のない不安や怒り、悩みを具現化したものなのは分かりましたがテーマとして映画のトーンやストーリーに上手く調和しているとも言えず、結局は「だから何?」と言わざるを得ないエンディングに導かれて曖昧なままです。スーツケースは縛っておいて、寧ろオブスキュラスをメインに仕立て上げた映画にした方が絶対面白かった様な気がする・・・。

キャラクターは個性があって良い

とは言え、もう少し映画の良いところにスポットライトを当ててあげると、冒頭で述べたレドメインのチャーミングなキャラクターとフォーグラー演じる憎めないコワルスキー


女子ウケは良さそうな好青年のニュート

コワルスキーとクイニーの無理やりな横入り恋愛ストーリーにはウンザリしましたが(あれ、要る?)個々のキャラクターはユニークで愛着が湧きます。コワルスキーのコミカルな表情や行動は観ていてこちらも楽しくなりますし、ちょいちょい笑わせてくれます。パン屋を開きたいという夢も何だか可愛らしくて、彼のイメージにも合っており、個人的に気に入っているポイントです。

ニュートのちょっと頼り無さそうで、ジェントルマンテイストの柔らかな物腰と裏腹にいざという時はしっかり闘えるギャップも良いですね。


こんなズングリした子供の落書きみたいなのも出てくる

総じて深く考えない人向け

USJのアトラクションとしては大成功するかもしれないストーリーですが、映画化するには考えが浅くて足りなかったというのがレビューの総括になりそうです。

ハリポタを観て期待値が上がっている分、必要以上に残念な映画と感じてしまっているのかもしれませんが、魔法動物たちも何だかチープなCGi(博物館なんかでたまにある再現映像のクォリティから毛が生えたくらい)の産物でしかないのは否めません。ユニークな能力を併せ持っているとか、それを活かすとかもなく・・・続編が後4部作成される様だし、インターネット上の評価もそれなりに高い様ではありますが私には(ヒットする可能性は充分にあったのに)ヒットしませんでした。


 この映画を観られるサイト


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 まとめ

キャラクター以外は何をとっても「適当」な映画ですが、(私と違って)細かい事は気にしない!という事であれば、目に飛び込んでくる映像だけで充分に楽しめる映画でしょう(何せお金をかけたCGi塗れではあるので)。

ハリポタのファンなら好き嫌いが別れると思いますが、取り敢えず杖から電撃っぽい魔法が出ているシーンが観られれば良い!というカップルや友達なら、リラックスして観るのにお勧めです。何も考えずに楽しむエンターテインメント映画としては合格でしょう。

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