《シンビオート》と融合して誕生した最凶アンチヒーローの映画!『ヴェノム』をレビュー!

SF

ヴェノム


監督:ルーベン・フレイシャー
出演:トム・ハーディ、リズ・アーメド、ミシェル・ウィリアムズ、ジェニー・スレイト、レイド・スコット 他
言語:英語
リリース年:2018
評価★★★★★☆☆☆☆☆




~”サム・ライミのスパイダーマン3の時より激しく、凶悪なアンチヒーローが大暴れ”~
~”グロくないけど演出が時折ホラーチック、でもマーベルファンならそれなりに楽しめるはず”~

 もくじ


 あらすじ


ライフ財団の創設者、カールトン・ドレイク
表向きは若き天才、裏の顔は研究の為なら被験者を殺す事も厭わない金の亡者
地球資源の枯渇を受け、人類は宇宙に進むべきだと考えた彼は、
地球外生命体《シンビオート》を発見し地球に持ち帰り実験を始める
《シンビオート》と融合して共生できれば人類は宇宙でも生活できると踏んだが、
被験者のホームレスたちは融合するなり死んで行く
一方、スキャンダルニュースを素っ破抜くジャーナリストのエディは
人体実験に耐えかねたライフ財団の研究員に情報提供を受けて財団に忍び込む
だがそこで《シンビオート》に襲われてしまい-


 レビュー

ソニーとマーベル・スタジオの作品という事で、観ようか正直迷った作品。
ヴェノムはキャラクターとして魅力的なのと、シー・ヴェノムやカーネイジ含めて是非ビッグスクリーンで観たい世界が広がっているのもあって、いざチケットを買ったら超楽しみになりました。

総論としてはアクションや演技の質は良かったけど、ストーリーの薄さと考え抜かれてなさが際立ちました。

ソニーの『アメイジング・スパイダーマン2』よろしく、限られた時間にコンテンツを詰め込みすぎた感が目立ちます。
材料の分量、料理する順番が決まっていない曖昧なレシピのまま、超高級食材を使って何とか料理した様な作品。


トム・ハーディが居なかったらどんな仕上がりになってしまった事か・・・


出典:”Venom(2018) ©Columbia Pictures”

トム・ハーディのパフォーマンスは圧巻で、彼の演技力やキャラクターには全くもって文句の付け所がない。

寧ろ、ハーディを除いてしまうと殆ど何も残らないのが『ヴェノム』。

フライシャー監督は、ヴェノムがヒーローではない事を分かっている様で分かっていないのではないか。
ヴェノムを取り敢えず世に送り出せば充分だと考えている様な気がしてしまったのは残念なポイント。

スカイ君
ラストのバトルについても触れてるから、ネタバレありだ!傑作とは言えないけどスーパーヒーロー好きなら、結構楽しいはずだぞ
結局ヴェノムのキャラクターが有耶無耶でふわっとしたまま

いきなり核心をつく様な指摘になりますが、監督の認識が気になるところ。

”一体ヴェノムを何にしたいの?”が分からない。

ハーディ演じるエディ・ブロックと、彼を”宿主”としたヴェノムのクスッとくる会話を置いておくと、この映画のエッセンスはほぼ無くなってしまいます。

人間を喰い尽くす為に飛来したのに、ブロックとの出会いがヴェノムを変え、人間を守る側に転じたという流れで
”ブロックとの出会い”の具体的に何がヴェノムに影響したのか重要なポイントになるはず。


ドレイクに辿り着くまで様々な人を転々としたライオット


出典:”Venom(2018) ©Columbia Pictures”

ヴェノムをメインに仕立て上げる映画として、ブロックとヴェノムのキャラクタービルディングが肝心なのに、そこが一切無視されている点が非常に不満。

ジャーナリストとしての行動が行き過ぎて、弁護士で美人な婚約者に捨てられて職も失った”負け犬”なブロックを
《シンビオート》の星でも負け犬のヴェノムが気に入ったからと言って人類を守る事になる理由が分からない。

コミックスが原作とは言え、5歳児しか納得しない様なキャラクター設定変更はやめて欲しかった。

設定と言えばドレイクの研究を通じて語られる《シンビオート》との融合も腹に落ちない。

共生できる適合者探し”の難しさこそ、ヴェノムと適合したブロックを異質な存在に仕立てるだけでなく、ドレイクの無慈悲で理不尽な人体実験に”悪”の箔を塗りたくる重要ポイント。

それにも関わらず、逃げ出した《シンビオート》のライオットは次から次へと人間に融合して最後はドレイクを”宿主”に出来るし、ヴェノムもブロック以外にも犬や元恋人のアニーに融合する事が出来たりする。

何故だろう。


融合したヴェノムはブロックの記憶が全て見られる設定なのに、アニーの事を知らなかったりとチグハグ


出典:”Venom(2018) ©Columbia Pictures”

ストーリーの流れに応じて前提が二転三転する典型的な行き当たりばったりスタイルになるかどうかは、
昨今のSFやファンタジー映画が傑作になるか駄作の烙印を押されるかを大きく分けるエッセンスの一つだと思う。
『ヴェノム』は残念ながら後者寄りと言わざるを得ない。

アクションはしっかりとド派手だがラストはアンチクライマックス

最も印象に残るアクションシーンはラストのライオットとヴェノムのスライム・オン・スライムな殺し合いではなく、エディがバイクに乗って街中を逃げ惑うカーチェイスシーン。

中盤でヴェノムと図らずも融合したエディが戸惑う中、ドレイクの手下が《シンビオート》を回収しに来る場面。
アメコミの悪役が大好きな真っ黒のSUVが怯えるエディを前から後ろから襲い来る。

バイクを走らせるだけで精一杯のエディですが、ヴェノムが勝手にSUVを派手にボコしてくれるのは観もの。
エディの背中から伸びる黒い触手の様な腕が周囲の車をひっくり返し、追手のSUVにぶつける、引火したガソリンで大爆発を巻き起こすなど迫力は素晴らしい。

色々なものが猛スピードでぶっ壊れていく感じが少し爽快です。


ネチョっとした真っ黒なスライム同士が夜闇の中、絡み合う非常に見づらいバトル


出典:”Venom(2018) ©Columbia Pictures”

そこまでは良いが、ライオットとのショーダウンは白目で観ていました。
ヴェノム曰く、ライオットは《シンビオート》集団の中でもリーダー格で能力値は桁違いの最強エイリアン。

決死の覚悟で挑むエディとヴェノムだが、戦闘中は時折黒いスライムがスクリーンをベッチャベチャ行き交いつつ、”グァー”とか”グェー”に交じるドンガラガッシャンをドルビー・アトモスが非常に良い音質で届けてくれるだけ。

取り敢えずヴェノムが辛い顔をしている瞬間があるので、負けているのだろうなという程度。

ライオットとヴェノムの闘いも、ヴェノムの敗北が来す影響や問題が明確とは言えず、映画がドラマチックに演出すればするほど鑑賞者としては逆に冷めてしまう。
(《シンビオート》が炎に弱いのは判明しているので、援軍が飛来を試みたらミサイル数発で殲滅できそうに思えてしまう)

ライオットの桁違い感も薄い上、あまりヴェノムらしさを楽しめないラストはとても残念でした。

トム・ハーディとヴェノムのコンビにはまた会いたい気もするけど続編は・・・

お約束になったアメコミ映画の次回予告。
一通りエンドロールが流れた後に、続編の展開を匂わす意味深なシーンがチラっと流れる仕掛けですが、『ヴェノム』に関してはカーネイジの登場を予告。


融合すると”宿主”の臓器を蝕んでいく《シンビオート》


出典:”Venom(2018) ©Columbia Pictures”

しかし、本作の調子でカーネイジを描かれてもワクワク感はないです。

ライオットの様に”最強最悪”感だけ出されつつ、CGiがドンガラガッシャンしてヴェノムが勝って終わりそうではないだろうか。
フレイシャー監督には任せられない気がします。

ソニーのアメコミ映画で大失敗するレシピは毎回一緒で、単純に”詰め込み過ぎ。”

2時間前後という限られた枠でスタジオが持て余す内容やキャラクターでも、取り敢えずぶっ込めば良いと思っているのだろうか

サム・ライミ監督の『スパイダーマン3』でサンドマン、ヴェノムを登場させて勿体無い事をしたワケですが、リスタートさせた『アメイジング・スパイダーマン2』でも同じ失敗を冒します。

グリーン・ゴブリンとエレクトロ、2人の悪役をまたしても登場させ、大失敗。


フォルムとしては真っ黒でモンスタラスなルックスがコワカッコいいヴェノム


出典:”Venom(2018) ©Columbia Pictures”

この作品でも全く一緒でヴェノムが人類を味方する経緯をしっかり語れていなかったり、ライオットがラスト数分で倒されたりと時間の使い方が下手。

魅力的なキャラクターが本当に勿体ない使い方をされていて、今回はいくらかマシだけどやはりソニーの手に余る逸材だったとしか言えません。

そんな中、カーネイジを出演させたらどう考えても扱いきれずにカオス化する事は目に見えていて不安。

美味しいけど、アマチュアがクックパッドを見ながらキャビアやフォアグラやA5ヒレステーキを急いで料理した一品が『ヴェノム』。
観る時は、そんなディッシュを想像してもらうとガッカリしないかも知れないです。


 この映画を観られるサイト

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 まとめ

アベンジャーズ・インフィニティウォーの様に続編が楽しみで胸がはち切れそうな作品、ではない。
ソニーのアメコミ映画らしく、扱い切れないコンテンツを無理やり詰め込んだ映画です。

トム・ハーディのパフォーマンス、延いては彼とヴェノムのブラザー感漂う関係は違和感なく微笑ましくさえなるグッドポイント。
ハーディのお陰で映画が大惨事にならずに済んだと言っても過言ではないので、そこは評価したいところ。

ただ期待し過ぎると間違いなくガッカリするので、深く考えずに観られるならお勧め。
噂ほどグロくはないし、血しぶきが飛ぶシーンなんてのは皆無ですのでグロ耐性が無い方やカップルもお楽しみ頂ける事と思います。

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