スーサイド・スクワッド
監督:デーヴィッド・エアー
出演:マーゴ・ロビー、ウィル・スミス、ジャレッド・レト―、ジャイ・コートニー、カーラ・デルヴィーニュ 他
言語:英語
リリース年:2016
評価:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
~”ひどい、ひたすらひどい”~
~”豪華キャストと豪華な予算を贅沢に使った、ただのコスプレ大会を2時間観たい人向け”~
もくじ
あらすじ
スーパーマンの死から数ヶ月。
米国政府高官、アマンダ・ウォラーは危険な犯罪者のメタヒューマンたちを
政府の使い捨てチーム”スーサイド・スクワッド”に仕立てあげようと目論む
スーサイド・スクワッドを管理するリック・フラッグ大佐の
恋人に取り憑いた魔女のエンチャントレスもメンバーに任命されるが、彼女は支配される事を拒否
そしてエンチャントレスは人類を滅亡させるべく動き始めた・・・
スーサイド・スクワッドはエンチャントレスを阻止すべく、最初のミッションに乗り出す。
レビュー
シャトーブリアンを期待したら、スーパーの売れ残りの上にデザート盛り合わせ載っけられた気分になる作品。一体何なんだ、コレは。
ジャレッド・レト―含む豪華キャストによるスーパー犯罪者集団の映画に期待しないワケがない。が、観終わった後の圧倒的な萎えは中々のもの。褒められるのは何でしょう、マーゴ・ロビーのハーレイ・クインが目の保養になるくらい。

出典:”Suicide Squad(2016) ©Warner Bros. Pictures”
内容が薄っぺらっぺらーのぺーらっぺら。鼻息を吹きかけたら彼方へ消え去っていきそう。レビューがディスりの嵐にならざるを得ませんでした。

悪役が居て、正義の味方が居て激闘の末に正義の味方が勝つ。
イイよ、全然。大抵のアメコミ映画ってそうだし。
でも一応は伏線が張ってあったり、キャラが濃くて感情移入したり・・・あるよね?映画ですから。見せ処と言うか、オーディエンスに残す印象とか。
もうビックリするくらいそれがないの、このスーサイド・スクワッドには。各キャラクターの導入が下手過ぎて、共感なんて以ての外、好きになれるワケもない。

出典:”Suicide Squad(2016) ©Warner Bros. Pictures”
映画のキャラをどんどん好きになっていったり、情が湧いていく理由って出会いに喩えると話してみて、何回かデートしてみて、付き合ってみて、結婚、って言う工程をちゃんと踏むからなんだけど、この映画は合コンで出会ったその日に結婚を迫ってくる感じ。
無理だろ、このスットコドッコイが。
ストーリーテリングも最低。だってストーリーになってませんから。ストーリーもロジックなんですよね、こんな事がこんな理由で起きてしまったからこの人がこうなって・・・じゃないですか。
それぞれの現象がキャラの設定や、状況と絡み合って話が進むけど例えば長年封印されていた邪悪な古代の魔女(エンチャントレス)が復活した結果、人類滅ぼしまーすなんて事がこの映画で起こります。

出典:”Suicide Squad(2016) ©Warner Bros. Pictures”
あん?また何で?
しかも、この魔女は超強力という設定。クネクネ踊っているだけで、人類を滅ぼす機械を造り出す事も出来ちゃうのですが、いや、待て、普通に呪いか何かで殺せるだろ。
それ以前に、ウォラーに利用されていた事が気に入らないのは分かるが、それだけで人類大量虐殺に乗り切る理由になるか?古代の魔女でも感情コントロール力は低いんだな。
エンチャントレスのネオンサインみたいな弟も急に登場しますが、コイツは何者で能力は一体何なんだ。いつの間にか倒されてるし。
ストーリーの全てがWhy?だらけでつまらない。
恥ずかしすぎて鳥肌立つ事ってありませんか。
見ていられないイタさとか、本人はカッコいいとかカワイイと思って自信たっぷりにとった行動が間違い過ぎていて、笑うとか通り越した寒気を誘う様なシチュエーション。
スーサイド・スクワッドではそんなシーンが満載。
犯罪界のプリンスと称されるジョーカーが、大した事していないのにカッコばっかりつけていて痛々しいし、何よりそのカッコのつけ方が厨二病過ぎて喉がイガイガしてくる。

出典:”Suicide Squad(2016) ©Warner Bros. Pictures”
今節丁寧に銃器をドミノ倒しよろしく並べ立てて、その真ん中に寝転がってヘラヘラ笑っている演出なんて、その最たる例。
Why?見ていられない。
カタナに至っては戦闘でほぼ役に立って居なさ過ぎてキャラとして要らないのに、さらに敢えて日本語で発される歯の浮く様なセリフの連続。クールでカッコいい女剣士を演じたいのでしょうけど、眼差しとか相手を睨む様子なんて無理して寡黙で怖いキャラを演じている感がムンムン。その点はミスキャスティングかも。
”ここで私の人生が終われば、やっと貴方と一緒になれる”
・・・うん、何か、我々が日本人だからこそかも知れないけど演技がクサいし、何で日本語なんだよ、フラッグから英語で話しかけられた時ちゃんと理解出来ていたじゃねぇか。

出典:”Suicide Squad(2016) ©Warner Bros. Pictures”
夫が魔刀で殺され、魂ごと刀に封印されてしまったっているコミックスの設定をオーディエンスに説明する為の演出でしかなくて、それならもっとやりようあるだろ、フラッシュバックとか。
と思えば、エル・ディアブロのバックストーリー説明にはフラッシュバックが使われていましたが、誤って家族を殺した経緯も共感できないしやっぱダメだ。極めつけは初ミッションに出て数時間後に彼が放った一言。
”スーサイド・スクワッドは俺の家族だ!”
WTF。
もうサムい。11月末だからとかじゃなくて。
役に立っていないと言えば、キラー・クロックやキャプテン・ブーメランなど殆どのキャラがトークショーで相槌をうつくらいの存在意義しか出していない。
途中で扱いきれないと踏んだのかスリップノットとか言うキャラ、速攻で死んだし。まぁ、能力が”どんな壁でも登れること”っていう笑える設定なので別に居なくても良いけど。

出典:”Suicide Squad(2016) ©Warner Bros. Pictures”
ワニ野郎は最後にちょっと協力してくれたぐらいだし、そもそも隔世遺伝によって人体の一部が爬虫類化したメタヒューマンにやってもらう必要がある仕事じゃない。
ハーレイ・クインも格好は抜群に魅力的だが、飾りに持ってきた野球バットは戦闘で使っていないに等しい。最初からダガーか拳銃でも持って来いよ。
総じてスーサイド・スクワッドは”考えて作られていない”事が最大の問題。考える事よりも、デザイン、雰囲気、”それっぽさ”を追求し過ぎている。
それで喜ぶと思われたなら、鑑賞者も相当馬鹿にされたもんだ。もはや、腹立たしい。
続編が囁かれているが、レビューを書く以外に観に行く動機が見当たらないし、続編の前にもう少し考えてからリブートしてほしい。
この映画を観られるサイト
これだけケチョンケチョンに言わざるを得ない作品もあまりないので、お勧めはしません。お金を払ってまで鑑賞するなんてもったいなさ過ぎるので、やめといて良いです。
一応参考までに、観られるサイトだけ下記しますね。
まとめ
豪華キャストだけに勿体無いですがアメコミ好きでも、問答無用でお勧めできない作品。
ストーリー、演出、脚本のどれをとっても演劇を勉強中のアマチュア学生が作ったかの様な出来で、観ているとこちらがコケにされている気分にさえなります。