『スパイダーマン:スパイダーバース』の解説とイースターエッグ紹介!エンドクレジットで現れた新たなスパイダーマンの正体は・・・

スパイダーマン:スパイダーバース


監督:ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
出演:シャメイク・ムーア、ヘイリー・スタインフェルド、マハーシャラ・アリ、ジェイク・ジョンソン、リーヴ・シュレイバー、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ローレン・ヴェレス、リリー・トムリン、ニコラス・ケイジ 他
言語:英語
リリース年:2018
評価★★★★★★★★☆☆

Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures『参照:https://www.imdb.com


 もくじ


『スパイダーマン:スパイダーバース』の主な登場人物

スパイダーマン/マイルス・モラレス
『スパイダーマン:スパイダーバース』

ブルックリンに住むアフリカン・アメリカンのティーネイジャー。NY警察に務める黒人の父親と、優しいプエルトリコ人の母親に育てられ、非常に高い知性を持つが、叔父のアーロンとグラフィティを楽しむなどちょっとだけ反抗的。原作コミックスでは、『アルティメット・フォールアウト#4』で初登場し、死亡したピーター・パーカーの意思を継いでスパイダーマンとして活躍する。

Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures『参照:https://www.imdb.com

スパイダーマン/ピーター・パーカー
『スパイダーマン:スパイダーバース』

マイルスと同じ次元(Earth 610)に存在する初代スパイダーマン。恋人のM.J.とも上手く行っており、唯一のスパイダーマンとしての日々を謳歌するが、キングピン(ウィルソン・フィスク)との闘いに敗れて殺されてしまう。息を引き取る前にマイルスに加速器を止めるプログラムが入ったUSBを託し、彼がスパイダーマンになる事を決意するきっかけとなる。

Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures『参照:https://www.imdb.com

スパイダーマン/ピーター・B・パーカー
『スパイダーマン:スパイダーバース』

いわゆる、オリジナルのスパイダーマン。22年間スパイダーマンとして活躍するも、人生のピークを越えて日々に疲れを感じている38歳のピーター。妻のM.J.ワトソンとは離別したものの、本作でマイルスを通じて人間としても成長して行く。

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スパイダーウーマン/グウェン・ステイシー
『スパイダーマン:スパイダーバース』

2014年刊行の『エッジ・オブ・スパイダーバース #2』に登場。ピーター・パーカーではなく、恋人のグウェンが放射能を持ったクモに噛まれて特殊能力を得るタイムラインで活躍するスパイダーウーマン。本作でも少し触れられているが、ピーターはある事件をきっかけにヴィランのリザードに変貌してしまい、彼の暴走を止めるべく立ち向かったグウェンは図らずも彼を死なせてしまう。

Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures『参照:https://www.imdb.com

スパイダーマン・ノワール/ピーター・パーカー
『スパイダーマン:スパイダーバース』

スパイダーマンの能力を持つ、ハードボイルドな探偵。白黒調で描かれているのが特徴で、どこかしらダークな雰囲気を持つ。2009年刊行の『スパイダーマン・ノワール#4』でコミックスにデビュー。

Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures『参照:https://www.imdb.com

SP//dr/ペニー・パーカー
『スパイダーマン:スパイダーバース』

両親が死去した後、叔母のメイと叔父のベンの下で養子として暮らす日系アメリカ人の高校生。日系のバックグラウンドを受けて、映画ではアニメ調で描かれている。彼女は放射性のクモに噛まれたことでSP//drというメカ・スーツと精神的な感応を獲得し、SP//drのパイロットとなって闘う。

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スパイダーハム/ピーター・ポーカー
『スパイダーマン:スパイダーバース』

初登場は1983年刊行の『マーベル・テイルズ』でユーモアを狙ったスパイダーマンのパロディとして活躍。本来はクモで、放射能を持ったブタ(メイ・ポーカー)に噛まれた事でスパイダーマンの能力を得る。以来、スパイダー・ハムとして活躍するヒーローとなった。

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キングピン/ウィルソン・フィスク
『スパイダーマン:スパイダーバース』

マフィア界のボスを意味する”キングピン”の名を冠する男。特徴的な巨体は殆どが筋肉で、NYの犯罪界を牛耳る存在。『スパイダーマン:スパイダーバース』では亡き妻子を別次元から呼び寄せようと、時空間を歪めてしまう

Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures『参照:https://www.villains.fandom.com

プラウラー/アーロン・デイビス
『スパイダーマン:スパイダーバース』

初登場は1969年刊行の『アメイジング・スパイダーマン #78』で、初代はアーロンではなくホービー・ブラウンがその仮面に扮していた。知性があり、エンジニアリングに長けていたブラウンは、そのノウハウでスーパーヴィランと化して宝石や金品を奪い、ブラウンの名で持ち主に返すという悪行を目論んでいた。コミックスでは緑と紫のコスチュームが特徴的だが、『スパイダーマン:スパイダーバース』ではダークで殆ど紫と黒を基調とした高機能アーマーを身に着けている。

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グリーン・ゴブリン/ノーマン・オズボーン
『スパイダーマン:スパイダーバース』

サム・ライミ監督の『スパイダーマン』(2002年)にもヴィランとして登場したグリーン・ゴブリン。天才科学者ノーマン・オズボーンが正気を失って暴走した姿だが、『スパイダーマン:スパイダーバース』ではアルティメット版に倣って巨大化した形態で描かれている。尚、アルティメット版では本作と違って、フィスクではなく、グリーン・ゴブリンがスパイダーマンを殺害する事になる。

Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures『参照:https://www.imdb.com

『スパイダーマン:スパイダーバース』
スカイ君
言っておくが、ココから先はネタバレありの解説やイースターエッグの紹介だ!レビュー記事を読みたいって人はこっちをクリックしてくれな!

『スパイダーマン:スパイダーバース』の本編解説


アートスタイルとビジュアル

『スパイダーマン:スパイダーバース』最大の楽しみと素晴らしさは、そのアニメーションにあると言っても過言ではありません。極く細かなディテールまで良く作り込まれている事は言わずもがな、しかし具体的にどの様な技法でこの映画に命を吹き込んでいるか見て行くと、その創意工夫に驚かされます

一つは“ベンデイ・ドット”の多用。アメリカのポップ・アートに良く見られる、細かいドットで絵に色味を与える技法です。特に1950~1960年代のコミックスでも活用されていて、シアン、マゼンタ、黄色と黒の4色のドットを混ぜ合わせる事で様々な色を生み出す事が出来ました。

これによって、印刷費用を抑えつつもカラフルなコミックスの世界を表現する事が出来たのです。『スパイダーマン:スパイダーバース』のコミックスに近い質感はこのベンデイ・ドットによって生み出されています。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
クライマックスで加速器によって様々な次元が混ざり合った空間では、各次元を構成するベンデイドットが観られる

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://www.imdb.com

実はこのベンデイ・ドットが『スパイダーマン:スパイダーバース』の世界を構築する”原子”とでも呼ぶべき存在である事は、キングピンが大型加速器を稼働させたシーンでも描かれているのです。

色鮮やかな丸い”ドット”が加速器の開口部から放射されている事が、このコミッキーな空間を構成するベンデイ・ドットが歪んでいく様子を表しています

ベンデイ・ドットによるポップなアートに加え、『スパイダーマン:スパイダーバース』では従来の古き良きアニメーションに使われているもう一つの技法にも肖っています

近年のアニメーションでは1秒間に24フレーム使う事が一般的で、コマ数が増えた事で全体的に動きがスムーズに見え、パラパラ漫画の様なカクカクとした動きではなくなります。ですが、『スパイダーマン:スパイダーバース』は敢えて1秒間に半分の12フレームを使っており、これによってキレのあるアクションを実現

『スパイダーマン:スパイダーバース』
シャープなスパイダーマンらしいアクションは1秒間に12コマ使う事で実現

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://www.imdb.com

奥行きがある3Dテイストで描く事で”生きた”スパイダーマンたちの動きを表現出来る一方で、あたかもコミックスを読んでいるかの様な面白さを感じるのはこうした工夫があるからなのです。

ところでAPPLESAUCEって効果音なの?

『スパイダーマン:スパイダーバース』

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://screencrush.com

『スパイダーマン:スパイダーバース』ではコミックスらしさを全面的に活かしたSLAP!やBAM!など、日本語で言うドカッやドンなどの効果音がポップな文字で表現されます。そんな中、スパイダーマン・ノワールがトゥーム・ストーンと拳を交えるシーンでAPPLESAUCEの文字が。アップルソースって効果音なの?効果音なんです!ドカッ、グシャッ、ドンガラガッシャンなど次第にワケが分からなくなるオノマトペをもじり、そもそも意味を成さない言葉を挿入するというコミックスに見られるギャグなんです。


テーマは『大いなる遺産』にあり

原題は”Great Expectations”で『大いなる遺産』とは英国の文豪チャールズ・ディケンズによる長編小説

マイルスが転校した学校で、エッセイを書く様に課題として与えられた本でもありますが、大きくは『スパイダーマン:スパイダーバース』のストーリーラインも件の小説の内容と重なります

『大いなる遺産』ってどんな話?

7歳のフィリップ・”ピップ”・ピリップという名の孤児が主人公。彼はある事をきっかけに裕福なミス・ハヴィシャムと知り合い、彼女の館を定期的に訪れる事になるが、ミス・ハヴィシャムの養女エステラの美貌に惹かれ、恋に落ちる。そんな中ピップには巨額の遺産が与えられる事が分かり、彼はエステラに見合うエリートになるべくそのお金を使ってロンドンへ向かう。しかし、彼は未だ体験した事が無い世界で様々な困難に見舞われる・・・

ピーター・B・パーカーを始めとするベテランのスパイダーマンに認められるべく、突如手にした能力を操ろうとするも上手く行かない。同じ特殊能力を持つエリート集団と肩を並べられず、『大いなる遺産』で紳士を目指すピップと同様に藻掻き続けるマイルス。紛れもなくスパイダーマンであるマイルスは、何故いつまでも思い通りに能力を発揮できないのか戸惑い、ピーターに懇願します。スパイダーマンになるにはどうしたら良いのか、と。

途方に暮れるマイルスにピーターが出した答えは、恐ろしく単純な一言でした。

“It’s a leap of faith”

信じて踏み出してみるだけだ。

『大いなる遺産』のピップと同様、マイルスは常に進歩する事を辞さず、彼なりに己を新たに創生すべくスパイダーマンとしてのアイデンティティを追求します。マイルスが遂に”踏み出す”瞬間が訪れた時、彼が探し続けていた”スパイダーマン”の誕生に快感にも近い感情が呼び覚まされます。アーロンと育んだストリートな個性を表す黒と赤でスプレーされたオリジナルのスーツを纏って宙に踏み出したマイルスは、かくしてスパイダーマンになる事が出来たのです。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
スプレー・ペイントで彩るマイルス仕様のスパイダースーツは、シャープな赤と黒を基調としたデザイン

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://www.imdb.com

これまでのスパイダーマンに纏わる作品では、ピーターがスパイダーマンの座を手にするまでの苦悶は物語の前半で語られてしまいましたが、『スパイダーマン:スパイダーバース』はヒーローになるまでの軌跡だけでなく、マイルス自身の遣り方でスパイダーマンのマスクを手にする事が重要である事を表しています。

誰もがマスクを手にする事が出来る、誰もがスパイダーマンになれる。

それに必要なのは人間離れした特殊能力ではなく、己の遣り方で雲路を切り開き、信じて跳んでみること。その雄大たる見本を見せてくれたからこそ、マイルス・モラレスを愛し、共感し、『スパイダーマン:スパイダーバース』が傑作たる所以なのです。


ウロボロスの如く・・・

“大いなる力には、大いなる責任が伴う”

ピーターの亡き叔父、ベン・パーカーの名言は今や誰もが知るフレーズとなったのではないでしょうか。シンプルながらも胸に刺さる深い言葉として迷えるピーター・パーカーをヒーローへと導きます。蔑ろにされがちですが、ベンの長い人生で得た知恵の意図を探求し、理解して敵と正面切って対峙する事がピーターをスパイダーマンたる人間に押し上げる力となります。

『スパイダーマン:スパイダーバース』ではベンの登場は回想シーンに留められ、代わりにスポットライトを浴びるのはマイルスの叔父、アーロン。キングピンの手下として暗躍した末に殺害されますが、ラストでは彼の知略が美しく的を射ます。

“HEY”

アーロンの仇を討つべく、キングピンに立ち向かうも窮地に陥るマイルスを救い出したのはアーロンの言葉。キングピンがクリーンヒットされたゴルフボールさながら巨体を爽快にふっ飛ばされる笑いもありつつ、拳ではなく、愛する叔父に習った知恵を使って敵に撃ち勝つストーリーとしての美しさがこのラストに込められています。アーロンの”HEY”に始まり、マイルスの”HEY”に終わる

『スターウォーズ』を含む名作と呼ばれる様々な作品でも使われてきた、素晴らしいシナリオが『スパイダーマン:スパイダーバース』でも実に美しく活用されています。

『スパイダーマン:スパイダーバース』のイースターエッグ

数字の”42″が持つ意味

『スパイダーマン:スパイダーバース』で幾度も数字の”42″が登場している事にお気付きでしょうか。オープニングのクレジットでも胴体に”42″が記されたクモが一瞬スクリーンを過ります

特に、マイルスの周りで登場する事にも注目。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
スパイダーマン修行でビルの看板に激突して、歩道に倒れ込むマイルスの周りに落ちた看板のパーツは・・・

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://www.insider.com

『アルティメット・スパイダーマン』でマイルスを噛むクモに付けられていた通し番号で、42番目の被検体だった個体を指します。『スパイダーマン:スパイダーバース』ではマイルスが新たにスパイダーマンの力に目覚めたり、能力を試すシーンでこの記念すべき”42″が出現しています。

クリエイター陣へのリスペクト

ディズニー映画でも良く見られるクリエイターや原作者へのコールバック。『スパイダーマン:スパイダーバース』では、カメオ出演しているスタン・リーに限らず、マイルス・モラレスを世に送り出した二人のクリエイターたちが一瞬だけ登場します。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
マイルスのスマホに映し出される連絡先を見てみると・・・どなたか分かりますか?

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://screencrush.com

ブライアン・マイケル・ベンディス(B.Bendis)とサラ・ピチェリ(Sara Pichelli)のお二人。コミックス・アーティストとして著名で、コミックスのマイルス・モラルスをデザインした事で知られています。

マイルスの父、ジェファーソンがスマホを取り出した時もすぐにスクロールされて際どいところですが、スティーヴン・J・ディッコ(Steve Ditko)の名前が一瞬だけ見えますので、もし再鑑賞する事があれば注意して観てみると面白いかも知れません。

NYの街並みはイースターエッグの宝庫

Earth 616のスパイダーマンがマイルスの次元に送り込まれたシーンで、NYを一望出来る瞬間が訪れます。眩しい大小様々なネオンサインを観察してみると、クリエイターたちの遊び心が見えてきます

From Dusk Till Shaunの文字が見える大きな看板は、アクション・ホラー映画の『From Dusk Till Dawn』(1996年)をもじったもの。『From Dusk Till Dawn』と題される前は、実際に『From Dusk Till Shaun』が候補名として上がっていました。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
ピーター・B・パーカーの背景に映し出されるNYの街、見付け切れない程のイースターエッグが・・・

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://screencrush.com

右側に見えるPlanet Inglewoodはハリウッドをテーマにした実在のレストランPlanet Hollywoodのパロディ。そして微かに読み取れるbackrubの文字ですが、Googleのテーマカラーで彩られているのは元々Googleと名付けられる前の候補名がbackrubだった事に由来しています。

Planet Inglewoodの真下には『BABY SHOWERS』と題された映画のサインボードらしき広告が。メインが女性のみとなったキャスティングが特徴的な『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011)をもじっている様にも見えます

一瞬登場したレオパルドン

1978年に東映株式会社が制作した日本版スパイダーマンのTVシリーズ、『スパイダーマン』では戦隊シリーズの先駆けとなる巨大戦闘ロボット”レオパルドン”が登場します。当時はアメコミに馴染みが薄かった日本の聴衆に受け入れられる事を考え、スパイダーマン自身が闘うのではなくてレオパルドンが悪を成敗する設定が人気を博しました。

『スパイダーマン:スパイダーバース』ではペニー・パーカーとSP//drの登場と、ラストでSP//drが大破してしまった事を受け、日本のファンは続編でレオパルドンが登場する事を期待する声が上がっている様です。しかし、実はマイルスの初登場シーンで一瞬ながらも、既にレオパルドンが登場しています。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
子供の落書きの様に見えるロボットの絵は、確かにレオパルドン

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://www.inverse.com

父のジェファーソンに急かされ、学校の準備を始めるマイルスがグラフィティノートを仕舞う際に、見慣れたレオパルドンの絵が写っているのです。レオパルドンを意識している事から、続編でレオパルドンが登場する事はそう突飛な話でも無いかも知れません。


スタン・リーの登場は1回だけじゃない

ピーター・パーカーの死後、スパイダーマンのコスチュームをショップで買うマイルス。レジで会計をしているのは、必ずマーベル映画でカメオ出演しているアメコミの巨匠でマーベル・コミックスの父、スタン・リーでした。しかし、実は『スパイダーマン:スパイダーバース』を通して複数回登場している事にお気付きでしょうか。

最も気付き易いのは、ピーター・B・パーカーの初登場シーン。

電車に引っ掛かったウェブにしがみついてNYの街を飛ぶ様に駆け巡るマイルスとピーター。電車が駅で停車し、横断歩道にドスッと落ちて転がる二人。そこへマイルスを踏まない様にと避ける様に電話をしながら歩く男もスタン・リーです。

しかし、あまりに一瞬で気付きづらいのはラストでマイルスがNYをスパイダーマンとして駆け巡るシーン。過ぎ去る電車の窓から、スタン・リーがウェブを発射せんとばかりにポーズを取ってマイルスを見つめています。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
縦横無尽に駆けるマイルスを電車の窓から見つめるスタン・リー

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://screenrant.com

マイルスの守護神の様に見守るスタン・リー。他にも登場シーンがあるかも知れませんが、見付けられた方は是非コメントください!

『スパイダーマン:スパイダーバース』のエンドクレジット解説


スパイダーマン2099

エンドクレジット後に登場した謎の男。ダークネイビーと赤を基調にしたシャープで若干毒々しいオーラを漂わせる、スパイダーマンが姿を現します。実はこのスパイダーマン、西暦2099年に天才的な遺伝子学者がある事件をきっかけに、自身の遺伝情報を半分スパイダーマン(正確にはクモ)の遺伝子に書き換えられて誕生したヒーロー

彼の本名はミゲル・オハラ

1992年刊行の『アメイジング・スパイダーマン #365』に初登場し、ストーリーラインも比較的ヘビーで翳りある雰囲気を持つ異色のスパイダーマン。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
独特の雰囲気を持つ次世代スパイダーマン2099、ミゲル・オハラ

出典:”Spider-Man: Into the Spider-Verse(2018) ©Columbia Pictures”『参照:https://marvel.fandom.com

ミゲルについてもっと詳しく

『スパイダーマン:スパイダーバース』

出典:”Amazing Spider-Man(1992) ©Marvel Comics”『参照:https://comiccrossroads.fandom.com

NYに生まれ、その天才的な頭脳を認められてエリート専門のアルケマックス校に入学。そこでジーナ・クワンと出会い真剣交際に発展するも、ミゲルはダーナと浮気の果てにダーナと婚約。しかし性格は疑い深く、ジーナが開発したホログラムのA.I.アシスタント”ライラ”以外一切信用しない。時が経ち、アルケマックス社の遺伝子部門のトップに立ったミゲルは、スパイダーマンの様な超人を生みだそうと様々な実験を続けるがある被検者が死亡

事件を受けて辞職を決意するミゲルだが、そうはさせまいと画策された結果、ミゲルは遺伝子に結合する中毒性の高いドラッグを飲まされてしまう。このドラッグはアルケマックス社のみ配給を合法的に認められている為、ミゲルが辞めればもう一つの入手ルート、闇市場から手にした事にすると脅されてしまう。以前データバンクに登録した自身の遺伝情報を使って、汚染された遺伝情報を書き直そうとするミゲル。しかし、その過程で部下に邪魔をされ、遺伝子の50%をクモの遺伝情報と交えられてしまい、スパイダーマン2099となった

スパイダーマン2099/ミゲル・オハラの登場が仄めかしている事はたった一つ、続編の存在。ホログラムのライラが”ギズモ”と呼んだ腕に装着するデバイスは、時空間を自由に行き来する事が出来る装置で、様々な次元のスパイダーマン達を集結させる事が出来る事になります。

登場直後に、ミゲルがワープしたのは1967のアニメーション・シリーズ『スパイダーマン』の世界で”Earth 67(アース67)”と呼ばれる次元。当初のレトロなスパイダーマンと顔合わせする場面がコメディックに描かれていますが、これは『スパイダーマン』シリーズのシーズン1、エピソード19Bのワンシーン。『ダブル・アイデンティティ』と題されたこのエピソードで、スパイダーマンの格好をした悪役が登場し、実際に本物と偽物が互いに”お前は誰だ!”と言い合うギャグの様なシーンをもう一段もじったギャグです。

『スパイダーマン:スパイダーバース』
初代のスパイダーマンとスパイダーマン2099が言い合うエンディングのギャグシーンはファンに嬉しい小ネタ

出典:”Amazing Spider-Man(1992) ©Marvel Comics”『参照:https://knowyourmeme.com

ラストでマイルスにグウェンが”今ちょっと良い?”と声を掛けているシーンも見られますし、ミゲルによって簡易的に時空間を自由に行き来する事が可能となり、あらゆるスパイダーマンがクロスオーバーする世界が実現すると考えられます

ビンテージな1967のスパイダーマンがマイルスたちと合流して活躍するシーンを想像するだけで気持ちが盛り上がるこのエンディング、最後までファンが拾って欲しいポイントを突いてくれています。


いかがでしたか?

3月8日に公開されたばかりの『スパイダーマン:スパイダーバース』は映画館で観ないと勿体無いアートとドラマが入り混じった傑作と言えますので、是非劇場まで足を運んで頂きたいと思います。

他にもイースタエッグや気付いた事があれば、コメントください!

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