パイキーのブラッド・ピットに英語を学ぼう

 もくじ



スナッチのブラッド・ピットに学ぶパイキー

パイキー英語とは

パイキー(Pikey)とはアイルランドやウェールズなどで主に使われるスラングでジプシーを指します。差別用語として捉えられる事もある為、実はちょっとグレーな言葉です。

さて、パイキー英語とはパイキーたちが話す強烈に訛った英語のこと。ただ、パイキー本人たちはパイキー英語をシェルタ(Shelta)と呼んでいます。

この訛りがですね、ネイティブでも何言っているか分からない程物凄くてイギリス圏の人でさえ顔がハテナになる事も。


パイキーに扮するブラッド・ピット


出典:”Snatch(2000) ©Columbia Pictures”

そんなパイキーが登場する映画、スナッチを簡単にご紹介しますが興味ない方は次へ。

監督:ガイ・リッチー
出演:ブラッド・ピット、ベニチオ・デル・トロー、ジェイソン・ステイサム、デニス・ファリーナ、ヴィニー・ジョーンズ 他
言語:英語
リリース年:2000


“フォー・フィンガー”・フランキー率いる強盗団は、アントワープのダイヤ商から86カラットのダイヤモンドを盗み出す。宝石をニューヨークのボス・アビーへ届ける途中、小粒の盗品をさばくためにロンドンに寄る。しかし、彼の知らない密かな裏切りが進行していた。

一方、ロンドンには裏ボクシングのプロモーターを営むターキッシュとトミーの二人組がいた。彼らは紆余曲折の結果パイキーの一人で天才的なボクシングの腕を持つミッキーと出会い、彼を賭博が絡む裏ボクシングの八百長に利用しようとする。しかしミッキーは一発ストレートで対戦相手をK.O.してしまう。同じ頃、罠とは知らず裏ボクシングが開催されるノミ屋へ向かうギャンブル中毒のフランキーと彼を襲撃しようとする裏切り者に雇われた3人組。その後、ダイヤモンドの行方は二転三転していく。

このワンパンマン、ブラッド・ピットが演じているのですが、さすがはプロの俳優で見事にパイキー英語をペラペラ話してしまいます。では、早速パイキー英語を聞いてみましょう。

ミッキーのマシンガントークから学ぶ英語 前編

一回戦で条件に応じず、必殺ワンパンチで対戦相手をボコしてしまったミッキー。
彼に二回戦でこそ指定された通りに戦う様に交渉するターキッシュだが思わぬ条件を吹っ掛けられるシーン。

実際のシーンをまず観てみましょう。
(セリフはビデオの下に書いてありますので、ビデオが上手く再生できない場合はそちらへ)



出典:”Snatch(2000) ©Columbia Pictures”

Turkish: Well, do you want to do it?

Mickey: That depends.

Turkish: On what?

Mickey: On you, buying this caravan.
Ah, not the rouge one, the rose.

Turkish: It’s not the same caravan.

Mickey: It’s not the same fight.

Turkish: It’s twice the fucking size of the last one

Mickey: Turkish, the fight’s twice the size. And me ma still needs a caravan.I like to look after me ma.It’s a fair deal, take it.

Turkish: Mickey, you’re lucky we aren’t worm food after your last performance. Buying a tart’s mobile palace is a little fucking rich.
I wasn’t calling your mum a tart. I just meant…

Mickey: Ah save your breath for cooling your porridge. Now look, she wants the Hector-2 roof lights. The stylish ash-framed furniture and the scatter cushions with the matching shag-pile covering. Right, and she’s terrible partial to the periwinkle blue, boys.
Have I made myself clear boys?

Turkish: Yeah, that’s perfectly clear Mickey. Yeah.
Just give me one minute to confer with my colleague.



さて、ブラピのミッキーがペラペラと条件を話したあとに、相棒のトミーに一言・・・

Turkish: Did you understand a single word of what he just said?
(あいつが今言ってた事、一言でも分かったか?)

イングリッシュマンでさえ一言も分からないのでは、外国人には到底分かり様もないですよね。一つずつ内容をみていきましょう。

Turkish: Well, do you want to do it?
(ターキッシュ: で、どうだ、やるか?)

Mickey: That depends.
(ミッキー: そいつは話しによるな)

Turkish: On what?
(ターキッシュ: 何によるんだ?)

Mickey: On you, buying this caravan.
Ah, not the rouge one, the rose.

(ミッキー: あんたがこのトレーラーを買うかどうかさ。あぁ、ルージュじゃなくてバラ色の方な)

この会話でとても使えそうなフレーズがThat dependsになります。
Dependとは堅苦しく訳すと”~に依存する”という意味で、より広義には”~次第”という意味になります。

科学などに造詣が深い方であれば、Dependent variable(従属変数)と言えばピンと来るでしょうか。日常会話での使い方としては、例えばこんな感じです。

Hey, are you coming to the party tonight?
(なぁ、今晩のパーティ来るの?)
Well, it depends on whether or not I finish my work by then.
(まぁ、それまでに仕事を終わらせられるかどうか次第だな)


平日にパーティに行けるかは、ボスが早く帰してくれるかどうかにDependしますね


出典:”Monsters University(2013) ©Pixar Animation studios”

It depends onが基本形になりますので、Onの後に”何によるか”を述べましょう。何かによる場合、”Aかどうか”など有り得る結論を述べると思いますが、その際に便利なのがWhether

天気を意味するWeatherと混同しない様に注意です。Whether or notの後に依存する事象を述べる事を覚えて頂ければ基本的には使えるハズ。ターキッシュとミッキーの会話では、2試合目に出場するか問われた際にIt depends(on~が抜けている)とだけミッキーが述べたので、何によるかをターキッシュが聞き出す為にOn what?と返したわけです。

Turkish: It’s not the same caravan.
(ターキッシュ: この間のトレーラーと違うぞ)

Mickey: It’s not the same fight.
(ミッキー: この間とは違う試合だ)

Turkish: It’s twice the fucking size of the last one
(ターキッシュ: この間のトレーラーの2倍は大きいじゃないか)

Mickey: Turkish, the fight’s twice the size. And me ma still needs a caravan.I like to look after me ma.It’s a fair deal, take it.
(ミッキー: ターキッシュ、試合も2倍の規模だからな。それに母ちゃんにはまだトレーラーが必要だ。母ちゃんの面倒を見るのは好きだからな。悪くない取引だろ、これで手を打て)

Me maって言うのは、正しい英語に直すとMy motherです。
日本語にも色々な言い方ありますよね、ママ、母さん、母上、母ちゃんなど。
英語ではMumやMotherが比較的スタンダードですが、Maだとイメージ”母ちゃん”や”母さん”が近いトーンですね。

ここで学べる言い回しにFair dealがあります。
Fairって結構汎用性が高い単語で、日本では割と”公平な”を意味するイメージが強いと思いますが、派生してFair enoughなどのフレーズがあります。Fair enoughは”なるほどね”や”オッケー”に近い感じで特段深い意味なく使えますので、会話上よく出てきます。

I’m sorry but I don’t think I can make it tonight.
(ごめん、今晩は行けそうにないんだ)
Oh, why not?
(え、それまた何で?)
I couldn’t get my work done.
(仕事が終わらなくてね)
Fair enough. Best of luck with your work!
(そうかぁ、仕事頑張れよ!)

形容詞としてFairを使うと、Fair deal(悪くない取引、公平な取引)の様にどちらかというとポジティブな意味合いで使われます。”良い”のGoodやFineより一段ポジティブ度合いが下、ってイメージですかね。

ミッキーのマシンガントークから学ぶ英語 後編

さて、いよいよ後編。
ここではパイキートークのメインディッシュを解説。

Turkish: Mickey, you’re lucky we aren’t worm food after your last performance. Buying a tart’s mobile palace is a little fucking rich.
(ターキッシュ: ミッキー、前回の試合のやらかしようでミンチにされていないだけ有り難いんだぜ。尻軽女に動く城を買ってやるなんて、調子こき過ぎじゃねぇか)
I wasn’t calling your mum a tart. I just meant…
(いや、お前の母ちゃんが尻軽だってんじゃなくて、その、何ていうかだな・・・・)

Mickey: Ah save your breath for cooling your porridge. Now look, she wants the Hector-2 roof lights.
(ミッキー:こんな事でやり合うのはやめようや。いいか、天井灯はヘクターのサイズ2が欲しいんだとよ)
The stylish ash-framed furniture and the scatter cushions with the matching shag pile covering.
(家具はスタイリッシュなアッシュ材のヤツ、ソファー用のクッションのカバーは粗毛で頼む)
Right, and she’s terrible partial to the periwinkle blue, boys.
(あぁ、そうだな、色はラベンダー・ブルーが恐ろしく好きだから忘れずにな)
Have I made myself clear boys?
(さて、これでクリアになったかな)

Turkish: Yeah, that’s perfectly clear Mickey. Yeah.
(ターキッシュ:あぁ、完璧にクリアさミッキー)
Just give me one minute to confer with my colleague.
(ちょっと同僚と相談させてもらってもいいかな)

Tartとはご存知お菓子のタルトを指します。が、人を”タルト”と呼んだ場合、”軽い女”や”売女”の意味を持ちます。女性に対して使う軽蔑用語ですね。

このTartですが、You tart!(この尻軽女!)の様な使い方以外にも、形容詞としてTartyと使う事も出来ます。例えば、I think your dress looks a bit tarty(そのドレス、ちょっと軽そうに見えるよ)など。


さすがにパーティでへそ出しはTartyじゃないか、そこのキミ


出典:”Iron Man 2(2010) ©Marvel Studios”

次にSave your breath。直訳すると、”息を止める”に近いですが(息を止める、はHold you breathが一般的)これは比喩的なフレーズの一つ。イメージとしては無駄な事で労力を使って疲れてゼェゼェしてしまう事を避けよう、つまり”息”が体力や労力を表すとして、それをセーブ(Save)する。そう考えれば分り易いでしょう。Breathを代名詞に置き換えて、Save itとも表現します。

つまり、”無駄な事はするな/避けろ”という意味です。このシーンではミッキーの母親をうっかりTart呼ばわりしてしまって緊迫した瞬間、ミッキーがボコし合いは無駄だ、という意味で無駄な喧嘩はよそうという意訳になる訳ですね。

Save your breathの後のfor cooling your porridgeですが、これは一般的な表現というよりもミッキーの上手いジョーク。Save your breathは無駄な事をしないという意味ですが、Breathが文字通り”息”と言う単語である事に掛けて、”粥を冷やす為に”と付け加えたのです。

Save your breath; there’s no use telling teenagers to put their phones down.
(無駄な事はよせ。ティーネイジャーにスマホをいじるなと言っても仕方がないだろ)

Scatter cushionsやShag-pile coveringはそれぞれソファー用のクッション、粗毛のカバーという名詞的な単語なのは調べればすぐ分かりますので、より疑問に思うであろうTerrible partial toを見てみましょう。Terribleって”酷い”や”非常に悪い”という意味ですね。

日本語でも“ひどく遅い”や”恐ろしく頭が良い”の様にある状態、性質を強調して形容する事があります。それと同じ。例えば、こんな風に使います。

He is terribly smart
(彼は恐ろしく頭が良い)

注目して欲しいのはTerribleではなく、Terriblyとなっていること。Terribleとすると強調する役割を失い、語法としては誤りです。日本語で喩えると、”彼は恐ろしい頭良い”の様に意味は分かるけど何かヘンな表現。この点は口語的な上に彼の教養がないキャラに合っているとも言えますが、正しい使い方はしっかり押さえましょう。

Partial toでハテナになった方が多いのではないでしょうか。PartialはPart、”部分的/部品/一部”を意味する単語から来ていて、Partialは”一部の”を意味するというと納得し易いでしょう。しかし、Partial toとなるとやはり”一部”としては意味が通じませんね。お察しの通り、別の意味があるのです。

その意味はlike、“(大変に)好む”や”気に入る”という意味です。使い方の具体例を挙げましょう。

I’m quite partial to champagne.
(私はシャンパンがとても好きです)

あくまでも、好みや趣向的な意味合いでの”好き”になりますので、性的な意味で”あなたが好き”という場合は基本使いません。そこはシンプルにI like youやI love youに留めて。

最後に、Have I made myself clearという表現。このフレーズは非常に良く使います。Make “誰か/何か” clearという表現は、”誰か”にあたる人物の考えや意図、伝えたい事や”何か”を明確にするという事。これも具体例があると分り易いでしょう。

Allow me to make myself clear.
(私の考えをはっきりとお伝えさせてください)

Do I make myself clear?
(私の言いたい事は、はっきりと理解頂けましたか)

Would you kindly make yourself clear?
(仰っしゃりたい事をはっきりして頂けますでしょうか)

Allow me to make something clear; I do not intend to sign this contract.
(一つはっきりとお伝えさせてください。私はこの契約書に署名するつもりはありません。)

I will make our terms very clear.
(こちらの条件を明確にお伝えさせて頂きます)

会議などのビジネスシーンは勿論、誰かと話し合ったり交渉する様な日常的な場面でも使えます。契約の条件を口頭で伝える時、しつこく迫る異性に好意はない事をビシッと伝える時、など汎用性は高いハズ。話す時のトーンでフランクに”こちらの考えを言いますね”という表現になったり”ハッキリ言わせてもらう”という厳し目な表現になったりしますので、是非使いまわしてみてください。

使えるフレーズまとめ

長々とした説明を読んで頂いた方、本当に有難うございました(笑)。
情報量が多いので、結論だけ知りたい方向けにも今回紹介したフレーズと要点を以下の通りまとめました。

■ Depends on~
~による、~次第
That depends on whether my boss let’s me go home at 8PM.
(それは上司が8PMに私を帰宅させてくれるかどうか次第だ)
■ Fair enough
なるほど、了解
Fair enough, I’ll see you tomorrow at 10AM.
(オッケー、じゃあ明日明日10AMに会おう)
■ Tart, Tarty
尻軽女、軽い女(に見える)
You slept with that guy from the club last night? You really are a tart.
(クラブで会った彼と寝たんだって?君は本当に軽い女だな)
Your short tight skirt looks a bit tarty
(そのタイトなショートスカート、ちょっと軽そうに見えるよ)
■ Save your breath, Save it
無駄な事はよせ、やめておけ
Save your breath; asking him for a discount never works.
(あいつに値引き交渉しても絶対無理だ、無駄な事はよせ)
■ Partial to~
(大変に)気に入っている、好む
He’s partial to red wine.
(彼は赤ワインがとても好きだ)
■ Make oneself clear
考えや言いたい事をハッキリさせる
Have I made my intentions clear?
(私の意図ははっきりと理解頂けたかな)
Let me make something clear; I will not sign that contract until I talk to your manager.
(一つはきりさせてくれ。貴方のマネージャーと話しをさせて頂けるまで、その契約書に署名をするつもりはない)

如何だったでしょうか。意外と使えるのに知らない表現やフレーズもあったのではないでしょうか。

是非、今日から使ってみて英語力をパワーアップしてください!
それでは、また次回をお楽しみに。

 この映画を観られるサイト

少し前の映画ですが、いつもと違うブラピのキャラを観てみたい方、ちょっとダークで間抜けな犯罪コメディを観たい方は是非!
今回登場したシーン以外にもパイキーなシーンがたくさんです。

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