『スノーマン 雪闇の殺人鬼』は雪闇の中でストーリーを見失った哀れな監督の物語!お勧め出来ない理由は何処から語れば良いか迷うほど枚挙に暇が無い

スノーマン 雪闇の殺人鬼


監督トーマス・アルフレッドスン
出演:マイケル・ファスベンダー、レベッカ・ファーガソン、J.K.シモンズ、ヴァル・キルマー 他
言語:英語
リリース年:2017
評価★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

The Snowman(2017) ©Universal Pictures『参照:https://www.imdb.com



~”褒められるのはせいぜいノルウェーの美しい景観”~
~”考察の余地もない、ストーリーに全くなっていないカオスな愚策”~

 もくじ


 あらすじ


ノルウェーの首都オスロで女性が何の前触れもなく、次々と行方不明に
行方不明者に共通しているのは既婚で必ず冬に居なくなる事、事件直前に必ず雪だるまが現れる事
そんな中、オスロ警察の捜査官ハリー・ホールに雪だるまの絵が描いてある不気味な手紙が届く
そして行方不明とされた女性の一人が斬首体で見付かり、頭は雪だるまの一部として発見された
雪だるまの意味は?ホール捜査官に手紙が届いた理由は?
過去に女性のバラバラ遺体が雪山で発見された怪事件との関係は?
事件は連続殺人事件へと発展し、ホール捜査官にも危険が迫って行くサスペンス・ミステリー


 レビュー

原作を読んだ限りは、相応のミステリーでしたので映画化に際して、監督の手腕次第では面白い作品になるのではないかと期待。マイケル・ファスベンダーやレベッカ・ファーガソンなど著名な俳優がキャスティングされた時は、更に期待が上がり、公開日を心待ちにしていました。

最終的な出来栄えには唖然。

断続的な映像を見せられている様で、訳が分からない。桃太郎の話に喩えるなら、”桃が流れてきて、仲間と宝を持って帰ってきました”という話を聞かされた感じです。空白を想像で埋めるにしても、空白が多過ぎて埋めようが無い。鬼が存在する事も、それによって村人が困っている事も、猿や雉を味方にした黍団子が重要だった事も一切ヤブの中。要はストーリーとして成立していない。『スノーマン 雪闇の殺人鬼』を観た後は、酔った中年男性の与太話を聞かされた気分になります。

『スノーマン 雪闇で遭難』の方がタイトルに相応しい作品。


『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
一見、普通の既婚女性が次々を行方不明になっていくミステリーが・・・緊張感の欠片も感じない


The Snowman(2017) ©Universal Pictures『参照:https://www.imdb.com

貴重な2時間を無駄にした犯人の名前を知りたい衝動に駆られて観終わった後、思わず監督の名前をもう一度調べた程です。未完成の映画が流出してしまった可能性さえ疑ったのが正直なところ。

映画としての評価を議論したり観どころを考える以前に映画として成立していないので、単刀直入に言えば観なくて良い作品。有名俳優の面々をここまで勿体無く使える監督が居たのかと驚愕も。次々登場するキャラクターですが、演技も全てオートパイロット・モードの様に引き込まれるエッセンスが無く、カメラの奥でどの様な指示がアルフレッドスン監督から飛んでいるのかの方が気になります。混沌としたシーンが前後左右で入り混じり、フィルムが縺れたまま映写機に回してしまった『スノーマン 雪闇の殺人鬼』は空前絶後の駄作と言わざるを得ません。

雪の様に記憶から消え、改めて映画化して頂きたいと強く思いました。

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
スカイ君
エンディングにも触れてるネタバレありだ!残念なのは変わんないけどな・・・・まぁ一応はオチが大事なミステリーだから言っておくだけ言っとくぜ
ストーリーだけじゃない、プロダクション側の制作もあまりに雑過ぎる

ストーリーは冒頭の通り、継ぎ接ぎで構造も全く整理されていません。私が適当に書いた桃太郎のくだりの方がエンターテイニングでさえあるかも知れない。

しかし、一層制作陣の意識に疑念を禁じ得ないのが、様々なシーンの撮り方や編集のアウトプット。ヴァル・キルマーが演じるラフト捜査官の登場シーンは全てフラッシュバックのはずですが、それが全く分からない様になっているのは数ある杜撰な特徴の1つです。回想シーンなどはそれと分かる様に、白黒に仕上げたり回想者が誰なのか分かる様にするものですが、『スノーマン 雪闇の殺人鬼』では一切そうした配慮や工夫がありませんでした。極めつけは、影当時、病で声が上手く出なかったキルマーのアフレコ。

要は、キルマーに演技をさせて撮影をした後から音声を録音し、映像と合成する手法で手段には問題ありませんが、そのクォリティには絶句しました。驕傲な意見を述べる様ですが、素人の私の方が上手く制作出来た可能性さえあります。


『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
インスタ映えするシーン撮っている暇があるなら、必要なシーンを撮れよと思った『スノーマン 雪闇の殺人鬼』


The Snowman(2017) ©Universal Pictures『参照:https://www.imdb.com

粗探しをする腹積もりで鑑賞しなくても明らかに感じる違和感。信じ難い事に、オーバーダブしたキルマーの声が、実際の映像と連動しておらず、口元の動きを微かに合っていない。制作にあたり、どの様な掛け違いが起こったのかは知る由もありませんが、作品のコンテンツ以前の問題で、誤って映り込んだクルーの様に凝視しなければ気付かない失態でもありません。

映像と音声が明らかに合わない状態でリリースされた映画は『スノーマン 雪闇の殺人鬼』以外にもあるのか知りかねますが、遺体が発見される現場のセットもチープで緊迫感を全く煽らない代物です。被害者の遺体も随所で品質の低さが露呈しており、人が死んだとは思えない冗談の様な状況ばかり。ディテールへの繊細な配慮までは求めませんが、ミステリーやスリラーとして最低限は力点を置くべきポイントがある中で、アルフレッドスン監督は何に重点を置こうと思ったのか、その意図こそミステリー。撮影にあたって、特殊な諸事情があった可能性は無論捨てきれませんし、『スノーマン 雪闇の殺人鬼』と違って犯人捜しが目的ではありませんが、アルフレッドスン監督を筆頭に目に余る誤りを平気虚心で世に放った結果は変わらないですし、垣間見えるスタンスが実に腹立たしい作品。

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
スカイ君
これはヒドかったな、いくらなんでも
『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
モカ君
時間が無い中で大変だったのかも知れないけどねー
『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
スカイ君
オレは違和感につられて映画に集中しづらかったし、きっとストーリーもあんまり良くないんだろうなって思い込んじゃったぜ
キャラクターにも愛着がわかないから面白くない

原作では、事件の捜査を任されたオスロ警察のハリー・ホールが性犯罪課から新たに配属された女性捜査官キャタリン・ブラットと捜査を進めて行きます。そして犠牲になった女性たち既婚にも関わらず不倫関係を持っていた事や、子供たちは実夫との間にもうけた子では無かった事を突き止め、事態は興味深い方向へ。

更には片腕のキャタリンが姿を消したラフト捜査官の実娘だった事も発覚し、彼女の動きにも不審が募る。被害女性たちの不倫相手でオスロの著名人、アルヴェ・ストープにも疑いの眼が向き、二転三転する複雑なストーリーが展開する中、登場人物の内面や思惑が少しずつ明らかになって行く内容です。ラストに満足するか否かは別として、行く末の予想がつかないスリルは楽しく、読破しました。

そうしたスリルある内容を、無理に2時間の枠に詰め込む事が目的になっていて登場人物に構っている暇が無くなっているとしか思えません。


『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
ファスベンダーを印象の薄いキャラクターに仕立て上げられるのもなかなかのもの


The Snowman(2017) ©Universal Pictures『参照:https://www.imdb.com

例えばハリーには元恋人とその連れ子が居るのですが、ハリーとの関係性を一切描いていない。ハリーの人間性も鉄仮面の様な表情に隠れた想いも全く見えて来ないので、元恋人は名前すれ思い出せない程に存在感が無い。ハリーもカオスなストーリーの最中を飛び交う台詞を掻い摘むとアルコールに溺れた敏腕刑事である事が分かりますが、物語さえ覚束ない『スノーマン 雪闇の殺人鬼』はキャラクター・ビルディングなど以ての外でした。

観る前も観た後もハリーは”飲んだくれの刑事”に過ぎない。他のキャラクターも例外ではなく、始終映画館で隣になっただけの人と大して変わらない印象の薄さ。共感もなければ、キャラクターに対する愛情も憎悪もありません。キャラクターに対する意見が1つたりとも無い事が一番退屈で空虚です。

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の被害者や犯人も杜撰な描写の犠牲になってしまいます。己の子では無く、妻が不倫相手ともうけた子と知った夫の心境は絶好のスリルのエッセンスですし、キャラクター・スタディーとしても面白いテーマとなり得ましたが、当然とこに思考が至るはずも無くオーディエンスを引き込めない理由の一端はこうした点にもあります。


『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
登場させている意味がないキャラクターばかりで、観ていて苦しい


The Snowman(2017) ©Universal Pictures『参照:https://www.imdb.com

トレードマークの不気味な雪達磨まで、映画の出来栄えと同じく中途半端。可愛いくも、怖くも、面白くも無い平々凡々とした雪達磨です。撮影直前にクルーが創ったとしても驚かないクォリティです。

原作は被害者やハリーを嘲笑する様に迫り来る冷酷な知能犯に背筋が凍る感覚がありましたが、『スノーマン 雪闇の殺人鬼』では被害者に危機が迫る緊迫感も無ければ、女性が恐れ慄く事も無い。夜闇の森の中を死にもの狂いで逃げ惑う描写も無く、殺人シーンも呆気が無さ過ぎて退屈。

犯人はサイコパスではなく、少し変態的な脇役と形容した方が正確で、この上無く残念です。

その変態も、原作とは全然違う最期を迎えます。凍った湖の上を間抜けにも歩いて凍て付く水中へ落下。適当過ぎるラップアップに、鑑賞者としては馬鹿にされた気分になります。

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の映画評価
スカイ君
原作が悪くないだけにな、ラストはオレも全然納得しなかったし・・・ってか寝てたかも

ミステリーの醍醐味である、驚愕の真実が理路整然とした謎解きを経て明らかになって行く快感や感動が一切ないのが大きなマイナス点です。アルフレッドスン監督は原作を読んでさえいるのかが疑わしい程で、何が伏線で誰がどの様に話を進めるべきか分からないまま撮影してしまったらしい。

アルフレッドスン監督は撮影期間が短すぎて、必要なシーンを撮りきれなかった事をインタビューで認めていましたが、何れにしてもマネジメント力が無いとしか考えられません。

これ以上は悪口しか出てこないですし、結論は出ているのでここまでにします。ノルウェーの美しい冬景色程度しか観どころはありませんので、観なくても良い映画です。


 この映画を観られるサイト

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』は観なくて良いけど、他にも観られる作品たくさん!という事で動画配信サイトを是非ご検討ください。色々紹介してますが、『スノーマン 雪闇の殺人鬼』はdtvとツタヤでのみ配信しています(適当)。

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 まとめ

考察の余地もない、混乱しか招かないカオスな作品。英語を勉強して原作でも読んだ方がマシな時間の使い方です。真面目に、原作は悪くないですよ。

素晴らしい俳優たちがもったいない使い方されているし、腹立たしい・・・

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』はどんな人にも、どんな理由でもオススメできない映画です。

『スノーマン 雪闇の殺人鬼』映画評価
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