フライト・ゲーム
監督ジャウム・コレット=セラ
出演:リアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、スクート・マクネイリー 他
言語:英語
リリース年:2014
評価:★★★★★★☆☆☆☆
~”ペースは取りつつも全体的にスピーディなアドレナリンラッシュ”~
~”深読みは禁物、ローラーコースターみたいなライドを楽しんで!”~
もくじ
あらすじ
航空保安官のビル・マークスはある過去の事件から酒に溺れていた
乗客を装ってNY発、ロンドン行の航空機に登場したマークスは通常通り任務にあたった
何もなく目的地に着くかの様に思えたが、マークスの携帯にメールが
差出人は不明だが、指定した口座に1億5千万ドル送金しなければ20分毎に乗客を殺害する書かれていた
独自に捜査を始めるも次々と犠牲者が
さらに指定された講座の名義人はマークス自身だった
彼にも疑念の眼が向けられる中、マークスは乗客を救いきれるのか-
レビュー
予告編を観て想像した内容そのまま。
サプライズも捻りもないアドレナリンラッシュがフライト・ゲームです。勿論、犯人は誰なのか・・・的なミステリー要素はありつつも、それと言った驚きもなく。
馬鹿騒ぎしてパーティー・オンしているのが楽しい、みたいな映画です。細かい事を一々気にしなければ、それなりと言ったところ。サスペンスフルなアクションらしい雰囲気を引き出すリアム・ニーソンは60歳超えなのがびっくり。
出典:”Non-Stop(2014) ©StudioCanal”
信じられないシーンばかりですが、“信じられない”事さえ無視してしまえば楽しめるもの。例えば、マークスとハモンド保安官のファイトシーンは飛行機のトイレで繰り広げられたり。皆様もご存知の通り、中々狭い空間で大の男二人で殺し合いながら動き回るスペースは無いのですが、その実に暑苦しい様子をスクリーンいっぱいにエンジョイさせてくれます。
純粋にファイトシーンは観ていて楽しいですしね。
ちなみに飛行機のトイレの広さとか調べたら、あれって造るのに1億円程かかる事を知って驚愕しました。平均的なサラリーマンの人生って旅客機のトイレ3基分の価値しかなかったのか・・・フライト・ゲーム、ちょっとは勉強になりました。
フライト・ゲームはツッコミどころだらけですが、スピーディなエンターテインメントがそれを上回り、”あり得ないけど楽しかったからいっか”となる作品。ライトに捉えるのが丁度良い娯楽映画でしょう。
シャーロック・ホームズも真っ青なトリックで現代のセキュリティを破り、飛行機に武器や爆弾を仕込み、手に汗握るアクションと驚きのラストが・・・!
と、私は思っていました。ニーソンがメインキャストの時点で派手なアクションは約束されていますし、今時水の入ったペットボトルさえ持ち込めない飛行機でニーソンを相手に喧嘩を売ってくるのは相当なヤツに違いない。
エアフォース・ワンの時もそうでしたが、飛行機という異空間の中でのミステリーは何となくサスペンス好きとして心踊りますしね。一体どうやって航空保安官のセキュアなネットワークに侵入し、航行中にSMSを?残念ながら、そこは目の付け所が間違っていた様です。
出典:”Non-Stop(2014) ©StudioCanal”
大事なのは、ニーソンの強面と彼のパンチ&キックが輝くインフライト・アクション。
スパイダーマンを観て”放射線に晒されて突然変異した蜘に噛まれたら、なぜ蜘の力を手に入れられるんだ”とツッコむ様なもの。そこは大事じゃないのよ、大事なのはスパイダーマンのヒーローとしての冒険なのよ。
フライト・ゲームも大事なのは犯人のトリックとかじゃないのよ、飲んだくれで心の荒んだ保安官が人間業を超えたスキルで飛行機の乗客を救う事が大事なのよ。
ビッグな俳優はリアム・ニーソンだけかと思いきや、良く見ると隣に座った心臓病持ちのやつれたキャリアウーマン、オスカーに4度もノミネートされたジュリアン・ムーア。
彼女と言えば、ニーソン演じるマークスの動きにちょくちょく首を突っ込むくらいで何とも微妙な立ち位置。居ても居なくても、特にストーリーには影響しなさそうなキャラクターなので、脚本についてもここは疑問です。
出典:”Non-Stop(2014) ©StudioCanal”
しかもキャビンアテンダントの一人、“それでも夜は明ける”のルピタ・ニョンゴ。多分、片手で数える程度しか台詞はないし、スクリーンタイムも脇に写っている瞬間含めて20分くらいだろうか。
その分、全体としてのパフォーマンスは確かに高いものがありましたが、如何せんニーソンが緊張した面持ちで拳銃を構えているシーンと、アクションシーンと全面に押し出した作品なので有り難みは感じづらい。
鼻を折られた乗客も、”ハウス・オブ・カード”や後の”アントマン”にも出演するコリー・ストール。サポーティング・キャストに物凄く力注いでいるけど、それならもう少しロジックに時間と労力を割いて欲しかった。そういう映画じゃないのは分かっているんだけどね。
犯人の主張を平たく纏めると、”セキュリティがザルだから”だったけど、爆弾なんて持ち込んでおいて説明がざっくりし過ぎだろ。
観ている間もレビュー中も知能犯によるミステリーと期待していた自分と、アッパラパーな頭でドンガラガッシャンを楽しみたい自分が葛藤していましたが、この映画はとにかく後者向け。
飛行機という異空間を逆手にとり、”あり得ない”を前提にしている映画でした。適当に観るのに丁度良い映画です。
この映画を観られるサイト
フライト・ゲームを楽しみたい方は、動画配信サイトから大きな画面で観る事をお勧めします。何しろ、ドンパチエンターテイナーですので大スクリーンで楽しむに越した事はありません。
U-NEXTなどで配信していますので、体験期間に登録頂く事でもらえるポイントも使い最近の映画も観られます。観たい映画やドラマがある方には一石二鳥。
何か最近やることないなぁなんて方にもハマるドラマが出来ると毎日楽しくなったりしますし、時間を少し持て余している方にもお勧め!取り敢えず無料体験、してみませんか?
まとめ
普段よりも、レビューするポイントが少ない映画でした。ニーソンの独壇場で緊迫とアクションが最も重要な見せ場になっているので、それさえ楽しめれば良い作品です。
“96時間”を楽しめた方なら、フライト・ゲームも楽しめるのではないでしょうか。
ノンシリアスだけどハリウッドのブロックバスターを楽しみたいなら、お勧めですが、ストーリーにしてもキャラクターにしても深みは期待しない