『キスキス、バンバン』は頭空っぽで観ると楽しいノワール・タッチなコメディ・エンターテインメント

 

キスキス、バンバン


監督:シェーン・ブラック
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ヴァル・キルマー、ミシェル・モナハン、コービン・バーンセン 他
言語:英語
リリース年:2005
評価★★★★★★☆☆☆☆



~”シェーン・ブラック監督、その名の通りブラックな笑いを映画化(っていうコメントしか出ないくらい適当だけど楽しい)”~

 もくじ


 あらすじ


ニューヨークで活動する泥棒のハリーは、ある日逃走中の成り行きからハリウッド映画のオーディションに合格
探偵役を得た彼は役作りのために、ロサンゼルスで本物の探偵であるペリーと行動を共にすることになる
だが、ペリーは”ゲイ”という通称どおりの同性愛者であった
そんな二人の前に偶然にもハリーの幼馴染で、女優を夢見ているハーモニーが現れる
そして三人は奇妙な事件に巻き込まれていく


 レビュー

レビューに行く前に・・・40歳のロバート・ダウニーJr.がイケメン過ぎる事だけ言わせて。めっちゃ良いワインみたいな歳のとり方してる。

さて。キスキス、バンバンはコミカルなタイトルからも予想が付く様に少しブラックなコメディー映画。笑っちゃいけない事で笑わせてくるあたり、観ているだけで軽く自己嫌悪に(笑)。

ハリーとペリーが毛布に包んだ死体をアパートから運び出して遺棄しようとしているシーンとか。完全に犯罪。なんだけど、人目に触れずにアパートの外に止めた車に運ぶにはどうしたら・・・二人が出した結論はゴミ箱が並ぶアパートの裏路地に窓から死体を放り投げる事。

落ちていく死体。

毛布に包まったまま、”ガン!”という音を立ててゴミ箱にあたってから裏路地にドテッと転がる死体

”死体、ヤバい状態になってそう”というちょっと不健康な妄想と、おじさんが雨の中大胆に転んだ瞬間に出る様な笑いの板挟みになるポイントがちょくちょく。この死体を放り投げるシーンなんて可愛いモンで、トイレで小便中に床に転がった死体に気付くシーンなんて驚きのあまり、死体の方をそのまま向いてしまい、小便を直がけします。そう、死体に。“ちょwww”みたいな笑いが込み上げちゃいけないのに込み上げる映画です。

スカイ君
相手を選ぶ笑いかもな、気分悪い人は気分悪いかも!

ダウニーとキルマーの熱烈なキスシーンまであって笑える


出典:”Kiss Kiss Bang Bang(2005) ©Warner Bros. Pictures”

ただキスキス、バンバンでは笑いを引き出す事に注力し過ぎているせいか(笑い自体はそんなにサムくないし、先程の通り結構楽しめる)、ストーリー全体としては非現実的。結構入り組んでいるけども。批判しているのではなくて、“映画だな”という感じ。総じてB級にミステリーを観ながらヴァル・キルマーとロバート・ダウニーJr.のコミカルな演技が活きるブラック・ジョークでクスクス笑うのにお勧め。

中でも小説家で脚本家のレイモンド・チャンドラーの作品を知っている人なら、特に楽しめる映画だと思います。”水底の女”が最も顕著ですが、キスキス、バンバンでも湖に沈められた死体が出てきたりとチャンドラーの作品を意識していてストーリーもチャンドラーっぽい感じ。彼も執筆していたパルプ・マガジンに登場しそうな探偵モノのコミックスがベースになっている様なイメージです。

雨の中のおじさんしかり、透明なガラスドアに突っ込んで大泣きする子供や、駆け込み乗車して突っ込んだ片足のサンダルだけ電車に乗ってホームから呆然と裸足で立ち尽くすおばさん(実話)を見て鼻水噴射するタチなので、私は結構楽しめました。性格悪いのかな、私。

スカイ君
おっとここからはネタバレありだ!それでも良かったら読んでくれぃ
チャンドラーのハードボイルドさえも笑いに変えるシェーン・ブラック監督

キスキス、バンバンの設定自体は非常に陳腐です。半分華やかで半分犯罪の温床的な翳りを持つL.A.で、殺人事件に巻き込まれる探偵。うん、どこかで観たり、読んだり、聞いたりした事ある。

さてハードボイルドなガン・アクションと男同士が唸りをあげるボコし合いが幕を開ける・・・!と思いきや、ハードボイルドじゃなくてハードゲイ・・・?そう、肝心のクールな探偵さんがゲイなのです。LGBT問題でセンシティブな今のご時世、笑ってはいけないんでしょうけど、まぁ・・・

ガラス扉に全速力で顔面から突っ込む子供を見ちゃうのと同じく、笑ってしまうけどね

しかも名前が”ゲイ・ペリー”、Gay Paris(ゲイ・パリ)ジョークをもじったもの。Gayは英語表記で本当はGai Paris、”楽しげ、賑やかな”という意味のフランス語なんです。


キスキス、バンバン
ハリーの指が犬に食べられるという惨事さえもコメディに


出典:”Kiss Kiss Bang Bang(2005) ©Warner Bros. Pictures”

そんなこんなで人が死んだり、ハリーが指をちょん切られたり結構な大事が起こっているのに、おふざけワールドが止まらないキスキス、バンバン。

スカイ君
指を縫合してるシーンはオレも見てて何だか自分も痛くなったよ
モカ君
・・・ボクは指なんて食べない、から、ね・・・

二回観ましたが、気付いたのはこの映画に”意味はない”という事。ジョーク以上にフォーカスされているテーマはない様に感じています。どの台詞をとっても、ストーリーに深みを与えたり進行に特段影響するものもありませんし、次のコミカルなシーンの為の仕込みだったりコミックそのものだったり。

後ろめたい笑いが雪崩れ込むので“観た”感はしっかり残りますが、時間が経ってもしっかり憶えているかというとそうでもない作品です。

非現実的だけどチャンドラーの作品と同じく、複雑と言えば複雑

キスキス、バンバンの”顔”は完全にブラックなコメディ。一番印象に残るポイントです。

しかし暫くすると結構ストーリーも複雑で二転三転する事に気付きます。と言っても、どんでん返しモノではありません。結末は数ある可能性の内の一つ、という感じで”その発想はなかった!”にはならないから。

話の進みが速いし、右行ったり左行ったりするので好きな人は好きだと思いますが観終わる頃には疲れてしまうかも。私の場合は疲れたというよりも、おふざけワールドの方に飲み込まれてしまってストーリーを真に受ける事ができなくなり、後半でミステリーの真実が明かされても割とどうでも良くなっていました

でも結局そこなんですよ、“意味がない”所に集中し過ぎて疲れるのは勿体無い。ミステリーとして観てしまうと、めまぐるしさに疲弊するので楽しむポイントはダウニーとキルマーのコメディに注目する事。



インフィニティ・ウォー
人もあっけなくポンポン死んでしまうのに、何でそれでクスってしてしまうんだろう(サイコパス・・・?)


出典:”Kiss Kiss Bang Bang(2005) ©Warner Bros. Pictures”

複雑で入り組んでいるお陰で最初はストーリーに集中しがちですが、それはノーサンキューで笑いにフォーカスしましょう。寧ろ、ストーリーや描写について注目すべきエッセンスがあるとしたら、ノワールなスタイルでハリウッドの日常を彩っている事でしょうか。でも全面的に楽しむ様なポイントではないかな。

スカイ君
気を楽にして素直に楽しむ事だなー

一方で”勿体ない”と言うのは、シェーン監督にもちょっと言いたいところ。だって折角それなりに考えたミステリーが出来ているじゃないですか。笑いを抜きにして、もう少し真面目にやったら結構楽しいミステリーになったのではないかと思うので、コメディタッチで真剣味が薄れてしまうのはだいぶ残念でした。

総じて、頭を空っぽにしてポップコーンを持って笑いに身を委ねるのがベストな映画。ちなみに、普通に女性の裸が映るセクシーシーンがあるので、親など気まずい相手とは観ない方が良いかも!


 この映画を観られるサイト

『キスキス、バンバン』はこちらの動画配信サイトで配信中!借りに行くの面倒だし、そもそも移動時間を使ってスマホやタブレットで観たい人にお勧め!

それにしても、殆どどんな映画でも今のところあるな・・・U-NEXT優秀(笑)。月額、たったの2千円で洋画6,500本が見放題でアダルト作品まであります。2日に一本缶コーヒー買うのと同じ程度の出費、しかも毎月1200ポイント付与されるから課金しないと観られない最新映画も実質、月2本まで無料で観られるのは確かに凄い。

 

 

 まとめ

深読み不要、笑えればそれで良いキスキス、バンバン。

何か、そう考えるとタイトルもちょっと適当感漂いますよね、キスキス、バンバン。

ハプニング動画の中でもブラックな笑いが好きな人なら、確実に楽しい。ダウニーは役柄にピッタリだし、マーベルのトニー・スタークを演じている時と同様に彼の素のキャラが良く活きるキャラクターを演じていると思います。不謹慎系が苦手な方にはお勧めしません。

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