もくじ
エンドゲーム
憂鬱な敗北と死で終わったインフィニティ・ウォーの続編、エンドゲーム。前作以上に不気味なシーンで幕開けを迎える。
サノスとの死闘でパーツの殆どを失ったらしいトニー・スタークのブリーディング・エッジアーマー。残ったナノ粒子でやっとアーマーの頭部を作れたという事でしょうか、瀕死のトニーがアーマーを起動して”これ、ちゃんと点いているのか?”と独り言。青い起動インジケーターが光り、起動を確認すると婚約者ペッパー・ポッツに遺言らしいメッセージを語り始める。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
4日前に食料も飲水も絶え、翌朝には酸素も底をつくと言うトニー。このシーンはタイタンでサノスに敗れ、生き残ったネビュラと二人でスター・ロードの船、ベナターで宇宙を彷徨っているところの様に見えます。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
そしてこのショット。太陽に近付き過ぎたイカルス、砂漠で弱った獲物の上を浮遊するハゲタカ・・・そんな意味深なイメージを想起させられます。
映画ゼロ・グラビティを想起させる絶望的な背景色、暗い雰囲気。そしてその後に映し出されるネビュラの手が微動だにしないトニー・スタークらしい誰かの肩から名残惜しそうに滑り落ちる瞬間からして、恐らくエンドゲームでアイアンマンが最期を迎える事は殆ど確実と考えています。が、予告編の様な最期を迎えるとは思っていません。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
マーベルに限らず、予告編は映画の雰囲気やイメージ、ストーリーのサマリーを伝えるもの。映画本編には含まれない、予告編専用のシーンが紛れ込んでいる事が珍しくありません。スパイダーマン・ホームカミングの予告編でも、アイアンマンとスパイディーが街中を一緒に飛び回るシーンがありましたが、本編にはありませんでしたし。
トニー・スタークがベナターに乗り、絶望的な状態に陥るのは間違いないと考えていますが酸欠と餓死で一世を築いたヒーローが銀幕で息絶えるとは到底考えられません。それにベナターに乗るのはタイタンで負けた直後、つまり本編の冒頭で起こる事だと考えると、トニーが本編で活躍する事なく死んでしまう事になり、これは映画として考えづらい。
では、この状況をどう打開するのか。
気になるのはトニーのメッセージの一言。
“Just here to be adrift in space with zero promise of rescue is more fun than it sounds”
Rescue(レスキュー)というキーワードから、このメッセージを受信したペッパー・ポッツがコミックスでも登場する彼女専用のレスキュー・アーマーを纏ってトニーを寸でのところで救出に来る事を暗示しているのかも知れません。撮影ロケからリークしたペッパー・ポッツ役のグウィネス・パルトローの写真では、青いレスキュー・アーマーらしいコスチュームを身に着けた彼女が写っており、フェイクでなければ可能性は高いのではないでしょうか。
あるいは、19年にMCUデビューするキャプテン・マーベル(キャロル・デンバース)がベナターに接触し、スタークとネビュラと共に地球に戻る可能性もあります。キャプテン・マーベルを本編に登場させる自然な流れとしても、丁度良いシーンです。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
しかし、ネビュラの手が諦めた様にトニーの肩から滑り落ちるのは、どんな形であれ、エンドゲームではアイアンマンに別れを告げる事になる事を示しているのでしょう。
アベンジャーズの策士、ドクター・ストレンジがタイムストーンをサノスに手渡した理由についてFilm Talesなりに推測してみた記事はこちらへ。
その記事では、エンドゲームのストーリーではタイムトラベルが大きなキーロールを担うと推測。それを更に裏付けそうなシーンが予告編にありました。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
サノスによって死んだと思われたアントマンがキャプテン・アメリカ(スティーヴ・ロジャーズ)を訪ねて来たシーン。スコットの姿を見て驚愕の表情を見せ、”これは昔の映像データか?”と漏らすスティーヴ。
そのスコットが運転してきたと思われるバンが写っていますが、こちらはアントマン&ワスプのポストクレジットシーンで登場した量子界への入り口とも言える機械を積んだもの。
アントマン&ワスプでは、量子界から戻ってきたジャネットがスコットに”タイム・ヴォーテックス(時間の渦)に巻き込まれたら、貴方を見つけ出す事はできなくなるから気をつけて”と忠告し、彼を量子界に送り出します。
その直後にサノスによって灰と化したジャネット達の助けもなしに、スコットはどの様に量子界を脱する事が出来たのか。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
勿論、具体的な事は分かりませんがジャネットが敢えて”時間の渦”について語った事から、一旦は時間の渦に巻き込まれてしまったのではと考えられます。
時間軸の狂いを受け、タイムトラベルしたスコットはいわば”別次元の現実”に到達し、そこでサノスの事を知り、何らかの方法で戻って来た。そして量子界を通じてタイムトラベルする方法を生き残ったアベンジャーズに伝えに来たのかも知れません。
更に、この予告編に登場しているキャプテン・アメリカはインフィニティ・ウォーの登場時と違って髭も生やさず、髪型も違う。ユニフォームもウィンター・ソルジャーの時のもの。最早法から逃げ隠れしなくても良くなった世界になったから、元のルックスに戻しただけなのか、あるいは・・・過去のスティーヴを現代に連れて来たか。
すると現代にキャプテン・アメリカが二人いる事になるし、それは無いかも知れないか。さすがに。
それと忘れては行けないのがタイトルの演出。予告編の最後にAvengers Endgameと待望のタイトルが明かされますが、良く見ると塵がアベンジャーズのAを形作る様に融合して行きます。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
時間が巻き戻り、サノスによって塵となった犠牲者が元の姿を取り戻す様な。これも恐らく、タイムトラベルがストーリーのコアなポイントになる事を暗示していると見ています。
ホークアイに何があったのか、既に様々な憶測が飛び交っていて最も有力な説をピックアップすると”サノスの大虐殺によって妻、子供たちが死んだ。”
ホークアイがコミックス同様、ローニンとなってしまう事は事実上、確定情報でしたが予告編でそれがハッキリしました。
理由は分かりませんが、雨が降りしきる日本らしい街中でヤクザにも見える男たちをメッタ切りにするクリント・バートン。トレードマークとも言える弓矢ではなく、コミックスでローニンが武器とするカタナの様な剣を纏っています。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
この時もキャプテン・アメリカの声がWe lost a part of ourselves(我々は己の一部も亡くした)と語った瞬間、振り向きざまに悲しげな表情を見せるバートン。
ホークアイとしてのアイデンティティを失い、アベンジャーズの一員ではないローニンの仮面を着けた”何か”になったのではないかと考えられます。コミックスとはまた違う立ち位置なのか、実際の映画を観るまでは分かりませんが、彼がどの様な活躍を見せてくれるのか楽しみですね。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
彼の後ろに立っているらしいナターシャも、ローニンとなった旧友を見て驚きを隠せない様子が映されています。ただ、直接二人が同じカットに登場している訳ではないので、断言はできませんが、そうだとしたらサノスが引き起こした大量死を巻き戻す為にバートンの助けが必要になったと考えられます。
予告編を観る限り、エンドゲームで中核となる役割はナターシャとスティーヴが担っている様子。特にスティーヴはタイムトラベルの当事者となり、ある”作戦”に出る事が描かれています。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
作戦の内容は憶測の域を出ないものがインターネット上に幾つかありますが、気になるのは作戦決行の直前にスティーヴが元恋人のペギー・カーターの写真を見つめている事。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
ここで思い出さざるを得ないのが、アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロンでスティーヴがスカーレット・ウィッチに見せられた幻覚。トラウマの記憶や最も恐れている事をそれぞれ見せられた様ですが、ソーの様にラグナロクの”予言”を受けるケースもある様でしたね。
この時、スティーヴはペギー・カーターと賑やかなダンスフロアで再会を果たし、”踊らない?”と笑顔のペギーに誘われます。戸惑うスティーヴ。”もう終わりなのよ、もう帰れるの。想像してみて”とペギーに言われた瞬間、スティーヴ以外の人が消え去り独り取り残されます。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
これがスティーヴの行く末を仄めかしているとしたら。全てを失くした彼が、ペギーと再会するシナリオ、つまりスティーヴもペギーの元へ行くとしたら。キャプテン・アメリカもエンドゲームで犠牲になってしまう駒として、終焉を迎えるのかも知れません。
もう一つ。ペギーの写真が入った羅針盤。
この羅針盤はキャプテン・アメリカの第一作目、ファースト・アベンジャーでペギー自身がレッド・スカルと最後の戦いに挑むスティーヴに手渡したもの。キャプテン・アメリカとして常に自分が思う”正義”を見失わない、彼自身の信念を表すシンボルでもあります。
が、この羅針盤を良く見ると針は北東(North-east)を指している様に見えます。19年3月に公開予定のキャプテン・マーベル、予告編のあるシーンに注目してみると、こちらの”キャプテン”も北東方面(正確には北北東より、ですが)に向かう事になる様です。偶然かも知れませんが、北東に何かあるのかも知れませんし、スティーヴとキャロル、同じ”キャプテン”同士がエンドゲームでタッグを組んで同じ目標に向かって行く事を表しているのかも知れません。
勿論、キャプテン・マーベルとエンドゲームは同時に起こっている訳ではないので直接的に関係はないでしょう。
出典:”Official Avengers Endgame trailer(2018) ©Marvel Studios”
ただ、もしスティーヴが死闘の末にペギーと再会する・・・・そんなエンディングがスティーヴに待っていたら、私は確実に劇場で大泣きします(笑)。下手なラブロマンス映画よりもワンワン泣きます。
トニー・スタークはネビュラと共にタイタンを脱出するも窮地に陥り、キャプテン・マーベルかペッパー・ポッツのレスキュー・アーマーで救い出されて一旦は一命を取り留めると考えて良いと考えています。
一方でナターシャは何らかの形でタイムトラベルを行い(多分、ストレンジのタイムストーンを過去から入手)、キャプテン・アメリカに事情を説明して何か作戦を練り、決行。または、現代のキャプテン・アメリカと二人で過去に戻る事も考えられます。恐らくその過程で、スコット・ラングが量子界を経由して時間を行き来する方法を彼らに伝えて、作戦の一部に使われているのではと。
そして最後に、エンドゲームらしく、犠牲にされる”駒”はトニー・スタークとスティーヴ・ロジャーズの可能性は高そう。
ローニンが協力してくれるのかどうかは分かりませんが、妻と子供を取り戻す事に繋がる作戦だとすると、仲間入りしてくれそうですね。
さて、映画上映まで今後も別の予告編が公開されると思うので、新情報が分かればまた色々分かってきそう!
エンドゲーム。今後の動きにも要注目です。