殆ど笑い!ラブコメ・ホラー映画をお探しなら『愛しのゴースト』はお勧めの一つ

愛しのゴースト


監督:バンジョン・ピサンタナクーン
出演:マリオ・マウラー、ダビカ・ホーン、ナタポン・チャートポン、ポンサトーン・ジョンウィラート、アタルット・コンラーシー 他
言語:タイ語
リリース年:2013
評価★★★★★★★☆☆☆



~”日本人にも伝わる笑い!結構笑ったタイのホラー・コメディ映画”~
~”現地ではアナ雪を超える興行収入記録を叩き出したメガヒット作品だけあって、面白かった!”~

 もくじ


 あらすじ


4人の仲間ドゥー、エー、プアック、シンを連れ、戦場から奇跡的に生還したマーク
妻のナークとの再会に喜ぶマークだが、村人たちの間では不吉な噂が
ナークは既に死んでいて、彼女は幽霊として蘇ったと言われても信じないマーク
しかし仲間内では、ナークの不気味な挙動と視線に疑念が募る
遂にはナークも、戦地に赴いた自分たちもすでに死んでいるのではないかと疑心暗鬼に
だがそんな混乱をよそに、マークとナークは愛を深めていく
しかし次第に、誰がゴーストで、誰が人間なのかわからなくなり、マークも疑念を抱き始める-


 レビュー

英題はPee Mak。演出やコメディは陳腐と言えば陳腐だけど、シンプル・イズ・ベストを実感。くだらなさもあって大爆笑は起こらないけど、全体を通して小さい笑いが続いて飽きない映画です。

よくあるホラー的な演出もありますが(後ろから急に抱きついてくる手とか、薄暗い部屋でキィキィと独りでに動く揺り籠とか)、予想出来ないギャー!な瞬間もグロい描写もありません。せいぜい、冒頭で出産と共に死んでしまうナークの流血くらいでしょうか。

戦争から何とか生還したマークと4人の仲間は、マークの妻と子供が待っているであろう村に戻りますが何か様子が変。妻のナークは相変わらず美しいのですが、どこか不気味なんです。どこか青ざめたナークが静かに家の窓から外を見つめるシーンは呪怨ばりに不気味。


愛しのゴースト
お化けには到底見えないナークだが、どこかがおかしい

出典:”Phi Mak Phra Khanong(2013) ©GMM Tai Hub”

初めにナークがお化けだと疑い始めるのはビビりのシン。夜、マークの家を彼が訪ねると昼とは違ってどこか荒廃した廃墟の様で、極めつけは地面に落ちたフルーツを二階から手を伸ばして拾うナーク。日本でもろくろ首の様な妖怪の伝承がありますが、個人的には手足が伸びる系はホラーと言うよりスーパーパワー(笑)。

怖いというか”スゲー”ってなる。マーベルとワンピースの観過ぎ?

そうして少しずつ不気味な事態に巻き込まれるマークの友達。でもその友達のリアクションが間抜けでしょうがないんですよね、マーク本人も含めて(笑)。

愛しのゴーストでは殆どこの4人がビビってコケてへっぴり腰で惑うシーンばかりですが、ホラーと明るいコメディの間を上手く行き来していて楽しい。

スカイ君
ネタバレなしで書いたよ!
モカ君
面白かったのはやっぱりキャラクターだね!
戦争を切り抜けたとは思えない間抜けたちのコント

あるシーンではナークの家から逃げ惑う4人が急いで向こう岸に渡ろうと船を慌てて漕ぎ始めますが、慌て過ぎて全く進まずにグルグル廻っているだけ。その様子を桟橋から無表情で見つめるナーク。お化け側としても気まずそう(笑)。逃げられへんのかい!

ドゥー、エー、シン、プアック、4人の会話のボケっぷりも微笑ましいコメディ

そう、憎めない馬鹿っぷり。ジェスチャーゲームをしていたら、うっかりナークを指さして”死人”と言ってしまったり。そう、死人!正解!イェー!と喜んで”・・・あっ”とマズさに気付き凍りつく4人。恐る恐るナークの方を見ると・・・めっちゃ怒ってるやん(笑)

挙げ句は混乱し過ぎて、戦地から一緒に戻ってきたマークも死んでいてお化けではないかと疑い、パニックに陥る4人。


愛しのゴースト映画レビュー
マークの家の裏手に埋まっていたものは・・・

出典:”Phi Mak Phra Khanong(2013) ©GMM Tai Hub”

ちなみにタイでは自分の股の間から見たら、普段は人間の姿をしていてもお化けはその姿を表す事になるらしい。日本でもそうなのか?アジアでは似た様な幽霊に対する文化や迷信があるんですかね。

オカルト話は好きだけど、詳しくは良く分からないや。

と言う事で股の間からナークを見てお化けかどうか確かめようとする4人の1人、ドゥー。ですが、また馬鹿な事に自分ではなくてナークの股の間を覗こうとするドゥー。”見たけど何も無かったよ”って・・・ええ、でしょうねー(笑)。

そしてちょっとデッドプールの”第4の壁”壊しっぽい場面も。雨が降りしきる夜、誰が人間で誰がお化けか分からなくなる4人。”おい、実は・・・エーがお化けなんじゃないか?!”


キングスマン映画レビュー
怖がりすぎてどいつもこいつもお化けに見えて来たボーイズ

出典:”Phi Mak Phra Khanong(2013) ©GMM Tai Hub”

ゴロゴロとドラマティックに鳴る雷。“あぁあー何でいつも誰かが何かに気付くと雷が鳴るんだぁー?!”と叫ぶプアック。何でなんでしょうね(笑)

モカ君
確かに(笑)キャラが自分の映画をイジる笑いってボクは好き!

ナークが完全に呪怨の伽椰子みたいな顔をしているのに4人がボケ過ぎていて、そのギャップが笑える。ホラーってお化けが出てくる事もそうですけど、ちゃんと怖がらないとそもそも成り立たないなと思いました。成り立たなすぎて笑える。

愛しのゴーストでは、そんな笑いが面白かったです。

ラストも変わらず笑えるが、そこまでのエンタメは使い回し感も

ワーキャー騒いだお間抜けタイ・ボーイズは最後にお坊さんを頼って、お堂に籠もります

聖なる糸で張った結界の内側でお経らしきものを唱えながら震えるボーイズに安心する様に呼びかけるお坊さん。そこに迫るナーク。完全に正体を現して顔が白塗りした様に真っ白でびしょ濡れ。

しかしお坊さんには聖なる水が。それを振りかけられたナークは苦しそうに後ずさりしますが、それでもパニックが収まらないボーイズは水が入った桶をバッシャーンしちゃいます。固まる一同。

でもまだ聖なる結界の中だから近寄れないはず・・・!と思いきやパニックでじっと出来ないボーイズは、一心にお経を唱えるお坊さんを間違えて背中から思いっきり蹴り飛ばしちゃいます。豪快に前へ飛ぶお坊さん。絡まって壊される糸の結界。固まるボーイズ



愛しのゴースト
麗しい美女のナークはやはりどこか不気味な雰囲気を放つ

出典:”Phi Mak Phra Khanong(2013) ©GMM Tai Hub”

いや普通に笑いました。

この一連の流れも愛しのゴーストらしいおふざけ具合ですが、この辺りでマークが驚きの告白をします。そこでやっと話が進んだ感が出るんですよね。

スカイ君
どんな告白だったかはネタバレになっちゃうから言えない~(・・・言いたい)

要はラストに至るまでストーリーの展開は特に無かった事に気付きます。本当に、コントを観ていた感じで話の内容そのものは深みは無いなと。個人的にはコメディだし全然気になりませんでしたが。

お間抜けタイ・ボーイズがずっとナークがお化けかどうかビビりながらお馬鹿しているだけなので、ストーリーで何か感情を喚起される映画ではありませんね。

でも、ただ馬鹿しているだけの一時の笑いって訳でもないんです。このタイ・ボーイズは憎めないし、どこかそれぞれ個性があって可愛い。メンズ、ではなくて”ボーイズ”が似合う連中なんです。だから本当に呪われて死んじゃうなんて事があったら嫌なので、彼らがナークから逃れたいけど戦友のマークを置いてけぼりに出来ないという葛藤であたふたしている状況はアホだけど放っておけない


愛しのゴースト
村人の噂にも仲間の訴えにも耳を貸さなかったマークもついに・・・

出典:”Phi Mak Phra Khanong(2013) ©GMM Tai Hub”

だから退屈しないんでしょうね、似たパターンがグルグル繰り返されても何かと楽しいのは、タイ・ボーイズのキャラがちゃんと立っているからだと思います。

久々に観たタイ映画でしたが、結構楽しめました。ホラーではありますが、怖いシーンは無いに等しく、どちらかというと笑いを求める方にお勧めの作品です。友達とワイワイ観たら楽しいであろう愛しのゴーストでした。


 この映画を観られるサイト

さすがにタイの映画は絶対無いだろ、と思ったらまさかのあった(笑)。

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 まとめ

考えさせられるストーリーなどではありませんでしたが(まぁ、でも愛する人とわが子が幽霊になっても愛せるか、とか考えるかも)、軸は笑いにある良作でした。冒頭でも言いましたが、ネタが凄くシンプルで分り易いから言語や文化を超えてスッと込み上げる笑いが愛しのゴーストに溢れています。

タイだと結構ホラー映画は本気で怖いイメージがあると思いますが、愛しのゴーストは全然そんな事ありませんでした。

お化けに呪われるかも知れないのに、お馬鹿な行動を繰り広げる憎めないキャラたちのコメディを是非楽しんで欲しい一本です。

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